「乳房インプラント関連未分化大細胞型リンパ腫(BIA-ALCL)の要点」として、日本形成外科学会が2020年10月2日に患者向けの解説をウェブサイトに掲載した。
背景として、乳房再建術または乳房増大（豊胸）術で乳房インプラントを挿入された人で、「乳房インプラント関連未分化大細胞型リンパ腫（BIA-ALCL）」という悪性腫瘍が、2019年、日本ではじめての発生したことがある。頻度は、インプラントが挿入されている場合に、約2207～8万6029人に1人に発生するというもの。最後のインプラント挿入から診断までは平均9年（0.08～27年）。テクスチャードタイプ（表面がザラザラ）のインプラント使用例で報告されているという。
注意すべきは、2019年7月アラガン社は日本国内で流通するマクロテクスチャードタイプのエキスパンダーおよびインプラントを自主回収、販売停止していること。その後、代替品として、現在において同社のスムーズタイプのエキスパンダーと乳房インプラントが販売され、さらに、2020年10月にはシエントラ社の乳房インプラント（マイクロテクスチャードタイプ、スムーズタイプ）も保険医療で使用可能となった。
こうした状況を踏まえ、今回は、要点として関連した患者向けの質問への回答や留意点について解説をしている。
