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新型コロナウイルス感染症の未来シナリオについての見解

新型コロナウイルス感染症の未来シナリオについての見解が報告されている。

次に何が現れるかは、新型コロナウイルスの継続的進化、市民行動、パンデミックへの対応方法に関する政府の決定、ワクチン開発と治療進歩、パンデミックを終わらせ、将来の人獣共通感染症の影響を軽減する方法を学ぶことに焦点を当てるべきだと強調。科学と人文科学の幅広い学問分野、ウイルスを制御するために国際社会がどの程度協力できるかに大きく左右されると指摘している。

世界的なワクチンによる高いレベルの保護が世界中で達成されるまでは、マスクの着用、物理的な距離、手指衛生などの対策が時期尚早に緩和されると壊滅的な事態に陥る可能性があるとしている。

不確実性を考えると、診断、ワクチン、治療に関する最近の科学的進歩がパンデミックを終わらせると考えるべきではないと指摘。世界は新型コロナウイルス感染症についての意思決定を今後何年も続けていくことになるとする。

最も楽観的なシナリオ、最も悲観的なシナリオを提示。新世代ワクチンがすべてのウイルスのバリアントに有効で、世界各国が協調してウイルス制御を追求していくものが最も楽観的なシナリオ。国際的な協力と十分な資金があっても、このシナリオを達成するには長い時間がかかることは必至で、COVAXイニシアチブは入り口としている。悲観的なシナリオは、亜種がワクチン免疫を逃れ続けて、高所得国だけが集団ワクチン再接種を進めるもの。アウトブレイクが繰り返され、社会やビジネスにおける「正常化」への道のりは、はるかに長くなると見る。

世界的なアプローチではなく、国家主義的なアプローチは、悲観的な結果をもたらす可能性が高くなるとする。

国際学術会議(ISC)は中長期的なシナリオの範囲を調査することが極めて重要と説明。短期的な優先順位だけでなく、ゴールを認識する必要があるとする。分析を政策立案者や市民に提供して、情報に基づいた意思決定を支援すべきと説明する。
なお、ISC は、シナリオ・プロジェクトを策定するにあたり、世界保健機関(WHO) および国連災害リスク軽減局と協議。ISC は2021 年 2 月に、技術チームと協力してシナリオマップを作成するため、世界の専門家で構成される学際的な監視パネルを設置。今後3~5年の間に想定されるシナリオと、道筋を提供するために、政府、機関、市民が取り得る選択について、6~8カ月以内に国際社会に向けて報告する予定としている。

2021年2月、ニュージーランド、英国、フランス、米国見解。

Skegg D, Gluckman P, Boulton G, Hackmann H, Karim SSA, Piot P, Woopen C. Future scenarios for the COVID-19 pandemic. Lancet. 2021 Feb 27;397(10276):777-778. doi: 10.1016/S0140-6736(21)00424-4. Epub 2021 Feb 16. PMID: 33607000; PMCID: PMC7906624.

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