がんに伴う合併症の一つとなる、がん関連疲労をモニターするために心拍の情報を活用する評価方法が開発されている。台湾の研究グループが、モバイルヘルス専門誌『Journal of Medical Internet Research』で７月に発表した。
がんに関連する疲労度を測るウエアラブルデバイス
がん関連の疲労を評価する標準的な方法は「簡易倦怠感尺度（BFI）」など、患者の自己報告から得られる主観的な経験に依存する。
研究グループは、心拍変動（HRV）に関連した低周波（LF）と高周波（HF）といった値を用いて客観的な評価方法の開発を目指した。センサーを搭載した時計型のウエアラブルデバイスからデータを集めて分析するもの。化学療法または標的治療を受けている20歳以上の肺がん患者12人を対象として主観的な疲労感と客観的なデータの相関関係を調べた。
客観的な評価を可能に
こうして判明したのは、客観的な評価が可能であるということ。睡眠時のLFとHFの比と主観的な評価尺度であるBFIの数値との間には相関関係が認められた。
