ファイザー社は、転移性去勢抵抗性前立腺癌(mCRPC)を対象としたタラゾパリブ(商品名タルゼンナ)とエンザルタミド(同イクスタンジ)の併用療法に関する第3相試験(TALAPRO-2)の結果を発表した。
プレスリリースの要点をまとめると次のようになる。
同試験では、タラゾパリブとエンザルタミドの併用療法は、プラセボとエンザルタミドの併用療法に比べ、病勢進行または死亡のリスクを37%減少させることが示された。
これを受けて併用療法の追加新薬承認申請が米国FDAの優先審査の対象になった。
タラゾパリブとエンザルタミドの併用療法を受けた場合に最も多く見られた有害事象は、貧血と疲労感だった。タラゾパリブも、タラゾパリブとエンザルタミドの併用療法は、mCRPCの治療薬として、どの国の規制当局からも承認されていません。
以上が今回のプレスリリースの内容となる。
タラゾパリブは、PARP酵素阻害剤というタイプの薬だ。私たちの体の中には、「細胞」と呼ばれる小さなものがあり、体が正常に働くよう助けてくれているが、時々、これらの細胞は急速に成長および増殖し、がんと呼ばれる病気になることがある。
細胞内のDNAが損傷し、がんなどの問題を引き起こすことがあり、PARP酵素はDNAの修復を担っているのだが、この修復の仕組みによってがん細胞の生存を助けている場合があり、PARP酵素を阻害することで、がんの生存を抑え込むことが可能となる。
これによりタラゾパリブはがん細胞の成長を遅らせたり、停止させたりすることができる。タラゾパリブは非常に強い薬で、疲労感や胃の調子が悪くなるなどの副作用が起こることもある。
参考文献
Pfizer Announces Positive TALZENNA® and XTANDI® Combination Data from Phase 3 TALAPRO-2 Study
https://www.pfizer.com/news/press-release/press-release-detail/pfizer-announces-positive-talzennar-and-xtandir-combination