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黄体ホルモン単独の避妊薬も乳がんリスクのわずかな上昇と関連、研究により明らかに

英国オックスフォード大学の研究者らが行った最近の研究で、避妊薬の現在または最近に使用に乳がんリスクのわずかな増加が関連すると明らかになった。出産適齢期に避妊薬を使用する際のリスクとベネフィットのバランスを考える上で参考になる。

避妊薬と乳がんリスクとの関連を検証

乳がんは世界中の女性にとって重大な関心事であり、避妊薬の使用に伴う潜在的なリスクを理解することは極めて重要。これまでの研究で、混合型の避妊薬の使用による乳がんリスクのわずかな増加は既に示されていた。しかし、黄体ホルモン単独の避妊薬に関連するリスクは限られた情報しか存在しなかった。

そこで今回、英国の研究グループが、いずれかの避妊薬を使用している閉経前女性の乳がんリスクを評価した。特に黄体ホルモン単独の避妊薬に焦点が当てられた。

同研究は、オックスフォード大学Nuffield Department of Population HealthのCancer Epidemiology Unitを中心とした研究チームによって行われ、PLOS Medicine誌に掲載された。

研究グループは、英国のClinical Practice Research Datalink(CPRD)のデータを活用し、浸潤性乳がんと診断された女性と、条件をマッチさせた対照者を対象として、避妊薬の処方を比較した。解析では、年齢、肥満度、アルコール摂取量などの要因を考慮。さらに、過去に発表された研究結果と組み合わせてメタアナリシスを実施した。

避妊薬と乳がん関連

本研究では、経口、注射、子宮内避妊具(IUD)を含む黄体ホルモンのみの避妊薬は、乳がんのリスク上昇と関連していることが明らかになった。

乳がんのオッズ比(OR)は、経口の混合型避妊薬(1.23)、経口の黄体ホルモン単独避妊薬(1.26)、注射の黄体ホルモン避妊薬(1.25)、黄体ホルモン放出IUD(1.32)で、いずれもリスクが上昇した。メタアナリシスでは、これらの結果を支持し、現在または最近、避妊薬を使用した場合に相対リスクが上昇することが示された。

参考文献

Fitzpatrick D, Pirie K, Reeves G, Green J, Beral V. Combined and progestagen-only hormonal contraceptives and breast cancer risk: A UK nested case-control study and meta-analysis. PLoS Med. 2023 Mar 21;20(3):e1004188. doi: 10.1371/journal.pmed.1004188. PMID: 36943819; PMCID: PMC10030023.

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/36943819/

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