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HIV-1感染予防のための中和抗体についての無作為化臨床試験

HIV-1感染予防のための中和抗体についての無作為化臨床試験が報告されている。欧米のシスジェンダー男性とトランスジェンダーを対象とした試験と、サハラ以南のアフリカのリスクのある女性を対象とした試験で、参加者は8週間ごとにbnAb(VRC01)を投与されるグループ、プラセボを投与されるグループに無作為に割り付けられた。合計10回の投与が実施された。HIV-1検査は4週間ごとに実施。有害事象の数および重症度は、各試験の治療群間で類似。欧米の試験参加者2699人のうち、HIV-1感染が発生したのは、低用量群32人、高用量群28人、プラセボ群38人。アフリカの試験参加者1924人では、低用量群で28人、高用量群で19人、プラセボ群で29人が感染。

欧米での100人年当たりの罹患率は、VRC01群で2.35、プラセボ群で2.98。推定予防効果は26.6%。アフリカでの罹患率は、VRC01群で2.49、プラセボ群で3.10。推定予防効果は8.8%。

全試験のデータの解析では、100人年あたりのVRC01感受性分離株による罹患率は、VRC01投与群で0.20、プラセボ投与群で0.86で、推定予防効果75.4%。VRC01は他の HIV-1 分離株を予防しなかった.

VRC01 は、プラセボと比べて全体的な HIV-1感染を効果的に防止できないが、VRC01 に感受性のあるHIV-1 分離株の解析から予防が有効であると実証。

2021年3月、米国、南アフリカ、ペルーなど研究。

Corey L, Gilbert PB, Juraska M, Montefiori DC, Morris L, Karuna ST, Edupuganti S, Mgodi NM, deCamp AC, Rudnicki E, Huang Y, Gonzales P, Cabello R, Orrell C, Lama JR, Laher F, Lazarus EM, Sanchez J, Frank I, Hinojosa J, Sobieszczyk ME, Marshall KE, Mukwekwerere PG, Makhema J, Baden LR, Mullins JI, Williamson C, Hural J, McElrath MJ, Bentley C, Takuva S, Gomez Lorenzo MM, Burns DN, Espy N, Randhawa AK, Kochar N, Piwowar-Manning E, Donnell DJ, Sista N, Andrew P, Kublin JG, Gray G, Ledgerwood JE, Mascola JR, Cohen MS; HVTN 704/HPTN 085 and HVTN 703/HPTN 081 Study Teams. Two Randomized Trials of Neutralizing Antibodies to Prevent HIV-1 Acquisition. N Engl J Med. 2021 Mar 18;384(11):1003-1014. doi: 10.1056/NEJMoa2031738. PMID: 33730454.

科学

 

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