造血と白血病におけるFLT3の役割についての総説（2002年）。FLT3はチロシンキナーゼの一つ。造血幹細胞で発現し、幹細胞や免疫細胞の発達に重要な役割を果たす。リガンドは、骨髄間質細胞などから生じ、他の成長因子とともに幹細胞などの増殖に関わる。
FLT3の遺伝子変異は、急性骨髄性白血病の3割に認められるほか、急性リンパ球性白血病や骨髄異形成症候群でも確認される。変異がある場合の予後はよくない。
変異は受容体の膜近傍ドメインのアミノ酸のタンデムな重複を含み、チロシンキナーゼの活性継続につながる。動物実験では、骨髄増殖性疾患により致死的になる。白血病の難治に関わることも指摘される。
FLT3はキナーゼ阻害薬などの治療標的として有望である。
Gilliland DG, Griffin JD. The roles of FLT3 in hematopoiesis and leukemia. Blood. 2002;100(5):1532-1542. doi:10.1182/blood-2002-02-0492
