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2歳以上12歳未満の遺伝性血管性浮腫の発作予防薬としてラナデルマブをFDAが承認

武田薬品工業は2023年2月3日、米国食品医薬品局(FDA)がラナデルマブ(Lanadelumab-flyo、商品名タクザイロ、TAKHZYRO)について、2歳以上12歳未満の遺伝性血管性浮腫(HAE)の発作予防を適応として承認したと報告した。

プレスリリースの要点は次のようになる。

HAEは、腹部、顔、足、性器、手、喉など、体のさまざまな部位に腫れを引き起こすまれな遺伝性疾患。腫れは痛みを伴う。時には、HAEが原因で喉が腫れ、呼吸が困難になり、危険な状態になることもある。HAEの発生はまれで、世界中で5万人に1人の割合で発症していると推定されている。残念ながら、診断されなかったり、治療されなかったり、認識されなかったりすることが多い。

ラナデルマブは、体のさまざまな部位が腫れるまれな遺伝性疾患HAEの発作を防ぐ薬。医療関係者または治療を受ける子の介護者によって皮下に注射され、2歳以上の年齢で使われる。2歳未満に対するこの薬の安全性と有効性は分かっていない。この薬の副作用には、注射部位反応、上気道感染、頭痛、発疹、めまい、下痢、筋肉痛などがある。また、アレルギー反応のような重篤な副作用が起こる可能性もある。

今回の承認により、2歳から6歳未満の年齢層で承認された初めてのHAEの発作を予防する治療薬となる。推奨用量は150mg/1mLで、2歳から6歳までは4週間ごとに、6歳から12歳までは2週間ごとに、1回分のプレフィルドシリンジを投与する。

今回の承認は、12歳から18歳までを対象としたHELP試験の有効性データおよび2歳から12歳までの21人を対象としたSPRING試験の安全性・薬力学的データに基づいている。具体的には同薬は52週間の治療期間で小児患者におけるHAE発作の発生率をベースライン比で94.8%減少させた。SPRING試験における主な有害事象は、注射部位疼痛(29%)、注射部位紅斑(14%)、注射部位腫脹(5%)、投与部位疼痛(5%)、および注射部位反応(5%)。今回の承認は、薬物動態解析およびSPRING試験の安全性データによって裏付けられている。

以上がプレスリリースの内容から読み取れる内容である。

遺伝性疾患は、一生続く病気であり、常に治療が必要だ。体がむくむと、日常生活に支障をきたす。解決のための薬が登場するのは福音と言える。さらに、今回の薬剤はおおよそ月に1回だけ使えば、発作予防の効果が期待できる。病気を持つ子どもたちにとっては朗報となる。今後も、新しい薬が研究され、これまでに解けなかった問題を解決することは増えてくるのだろう。

参考文献

U.S. FDA Approves Takeda’s TAKHZYRO® (lanadelumab-flyo) to Prevent Hereditary Angioedema (HAE) Attacks in Children 2 Years of Age and Older
https://www.takeda.com/newsroom/newsreleases/2023/us-fda-approves-takedas-takhzyro-lanadelumab-flyo-to-prevent-hereditary-angioedema-hae-attacks-in-children-2-years-of-age-and-older

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