STELLANEWS.LIFEは、科学や技術、医療分野における最新の研究成果や革新的な発見を紹介することに特化したメディアである。本ウェブサイトでは、持続可能な方法で最新の話題を読者に届けるため、毎日更新される研究成果から特に注目すべき情報を選りすぐり、専門的な知見を交えて提供している。今回の記事で伝える情報は、臨床において得られたデータを用いて、リー・フラウメニ症候群(LFS)の家系における複数の一次性がんおよび競合するがんのアウトカムに対するリスク予測モデルの検証に関するものである。
LFSは、TP53遺伝子の病的な生殖細胞系列変異によって特徴づけられる遺伝性がん症候群である。本研究では、MDアンダーソンがんセンターにおいてリスク評価を受ける発端者(プロバンド)の家族歴を遺伝カウンセラーが収集し、3297人の個体から成る124家族の臨床カウンセリングベース(CCB)コホートを構築した。リスク予測のためにソフトウエアのセットであるLFSPROを使用し、予測の正確さをAUC(曲線下面積)で、予測値の実際の観測に対する妥当性を観測値と期待値の比(O/E比)で評価しました。その結果、病的なTP53変異の予測においてAUCは0.78、O/E比は1.66を達成。標準的な臨床基準よりも優れた性能を示し、遺伝カウンセラーがこれら数理モデルを使用することで、より良いリスクカウンセリングが可能であることを示唆した。
- 研究の発表誌→Journal of Clinical Oncology, 2024年4月3日
- 研究の背景→LFSの家族のリスク予測モデルの開発と検証
- 研究の手法→3297人の個体を含む124家族のCCBコホートを用いた
- 研究の結果→LFSPROを用いた病的なTP53変異の予測でAUCは0.78、O/E比は1.66を達成
- 結論→LFSの家系におけるリスク予測モデルは臨床基準を上回る性能を示した