-->新規併用療法による進行性非小細胞肺がん治療、キイトルーダとポートラーザの効果、昭和大学など | STELLANEWS.LIFE
サイトアイコン STELLANEWS.LIFE

新規併用療法による進行性非小細胞肺がん治療、キイトルーダとポートラーザの効果、昭和大学など

STELLANEWS.LIFEは、科学や技術、医療分野における最新の研究成果や革新的な発見を紹介することに特化したメディアである。本ウェブサイトでは、持続可能な方法で最新の話題を読者に届けるため、毎日更新される研究成果から特に注目すべき情報を選りすぐり、専門的な知見を交えて提供している。今回の記事で伝える情報は次の通り。

PD-L1の高発現を示す患者群で、ペムブロリズマブとイピリムマブ(ヤーボイ)、チラゴルマブ、レンバチニブ(レンビマ)との併用は有効性を示していない。高PD-L1発現を示す進行性非小細胞肺がん患者に対する有効な治療オプションが求められる中で、ペムブロリズマブとネシツムマブ併用によるPD-L1発現が50%以上の進行性NSCLC患者に対する有効性と安全性が評価された。

  • 研究の背景→ペムブロリズマブは進行性NSCLCの標準治療として確立されているが、PD-L1の高発現を示す患者群において、ペムブロリズマブとイピリムマブ(ヤーボイ)、チラゴルマブ、レンバチニブ(レンビマ)との併用は有効性を示していない。高PD-L1発現を示す進行性非小細胞肺がん患者に対する有効な治療オプションが求められている
  • 研究の目的→ペムブロリズマブとネシツムマブの併用治療の有効性と安全性を評価
  • 研究方法→PD-L1発現が50%以上の患者50人を対象に実施された第2相試験。対象患者には3週間ごとに最大35サイクルまでペムブロリズマブとネシツムマブを投与し、主要評価項目は客観的奏効率(ORR)、副次評価項目は無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)、有害事象
  • 主な結果→2020年12月から23年3月にかけて50人の患者が登録され、ORRは76.0%(95%CI: 61.9%-86.9%)であり、完全奏効(CR)2.0%、部分奏効(PR)74.0%、病勢安定(SD)10.0%、病勢進行(PD)8.0%が確認された。
  • 安全性プロファイル→ネシツムマブに関連する治療有害事象(TEAEs)は98%の患者に見られ、重度の事象(Grade 3以上)は48%。一般的な有害事象には発疹(86%)と低マグネシウム血症(60%)があり、5人の患者でグレード3の間質性肺疾患が、1人の患者でグレード5の心停止が観察された
  • 結論と今後の方向性→今回の研究結果は、この併用療法が進行性NSCLCの治療において重要な選択肢になり得ることを示しており、さらなる大規模な無作為化比較試験による検証が求められる
  • 研究協力施設→昭和大学、慈恵医科大学、仙台厚生病院、三井記念病院、弘前大学、NTT東日本関東病院、福島医科大学、東京都立駒込病院、金沢大学、横浜市立市民病院、昭和大学横浜市北部病院、東北大学、北里大学、宮城県がんセンター
  • 研究の意義→日本の患者集団において得られたデータが、地域特有の治療応答と忍容性プロファイルの理解を深める

参考文献

Atsushi Horiike, Hiroshi Wakui, Shunichi Sugawara, et al. “Promotive clinical effects of pembrolizumab with necitumumab in patients having advanced non-small cell lung cancer with PD-L1 expression of 50% or higher in a phase II study (K-TAIL-202).” Cancer Research. 2024; 84(7_Suppl): Abstract nr CT032.
https://doi.org/10.1158/1538-7445.AM2024-CT032


モバイルバージョンを終了