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Bayerは、次世代標的アルファ治療薬225Ac-PSMA-Trillium(BAY 3563254)を用いた第1相初回ヒト臨床試験の投与開始を発表した。この治験薬は、アクチニウム-225を標識し、カスタマイズされたアルブミン結合部分を持つ新しいPSMA(前立腺特異的膜抗原)を標的とする小分子を含んでおり、治療効果の向上と唾液腺などの正常な臓器への副作用の軽減を目指している。用量漸増試験(NCT06217822)では、進行した転移性去勢抵抗性前立腺がん(mCRPC)患者における225Ac-PSMA-Trilliumの安全性、忍容性、および有効性を評価する。
- 発表元→Bayer
- 発表日→2024年5月15日
- 標的アルファ治療とは→標的アルファ治療は、さまざまな腫瘍に対して使用できる新しい放射性治療のクラスである
- 治療法の仕組み→アルファ粒子放射線を体内の腫瘍に直接届けることで治療を行う
- アルファ粒子の特性→アルファ粒子は短い範囲で高度にイオン化する放射線を放出し、腫瘍細胞に修復困難な二本鎖DNA損傷を引き起こす
- 局所的な効果→エネルギーが遠くまで届かないため、周囲の正常な組織へのダメージが少ない可能性がある
- 放射性同位元素→ラジウム-223やアクチニウム-225などの放射性同位元素が使用される
- 既存の治療例→ラジウム-223ジクロライド、ラジウム-223(商品名Xofigo、ゾーフィゴ)は、骨転移を伴う転移性去勢抵抗性前立腺がん(mCRPC)の治療に用いられる最初の承認された標的アルファ治療である
- 研究の目的→225Ac-PSMA-Trilliumの安全性、忍容性、および有効性の評価
- 臨床試験→第1相試験(NCT06217822)
- 研究の結果→試験の結果は今後発表される予定であり、進行中の試験からのデータに基づいて評価される
- 治療の重要性→225Ac-PSMA-Trilliumは、進行した転移性前立腺がん患者に新たな治療選択肢を提供する可能性がある