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金沢大学がん進展制御研究所の髙橋智聡教授らと大阪大学大学院情報科学研究科の松田史生教授らの研究グループは、RB1がん抑制遺伝子が細胞の代謝を通じて分化を制御し、がんの悪性化を抑制する新たな分子機構を明らかにした。
RB1はこれまで、細胞周期の制御を通じたがん抑制機能が主に知られていたが、本研究では、代謝経路の一つである解糖系における酵素PGAM(phosphoglycerate mutase)の発現を制御することで、細胞の分化促進に関与していることが判明した。
- 発表元→ 金沢大学・大阪大学
- 発表日→ 2025年7月25日
- 掲載誌→ Cell Death and Disease(Nature Springer)
- 研究の目的→ RB1遺伝子による分化制御の新たな分子機構を解明すること
- 研究手法→ RB1欠損細胞モデルの樹立、PGAM1/2の発現解析、ヒストン修飾酵素および転写因子の関連性調査
- 主な発見→ RB1は、PGAM1/2の発現を制御することで、解糖系を調節し細胞分化を促進。未分化状態の回避に寄与
- 応用可能性→ 分化誘導を活用した新たながん治療戦略への発展
- 掲載論文→ “RB1 controls differentiation through positive regulation of phosphoglycerate mutases”
- DOI→ https://doi.org/10.1038/s41419-025-07850-3
AIによる情報のインパクト評価(あくまで参考として受け取ってください)
★★★★★