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細胞死を介さずにがんや異常細胞を除去──京大が合成タンパク質「クランチ」を開発

STELLANEWS.LIFE(ステラニュース・ライフ)は、医学・生命科学・材料工学を含む多分野の最先端研究を紹介し、科学が社会や健康に及ぼす影響を深く掘り下げる専門メディアである。研究成果の科学的意義と社会的インパクトを明確に伝えることで、科学の進展が医療にどのような変革をもたらすかを見極めていく。今回紹介するのは次の通り。

京都大学アイセムス(高等研究院 物質−細胞統合システム拠点)の研究グループは、体内で不要となったがん細胞や自己免疫疾患を引き起こす細胞を、細胞死を介さずに除去する新たな合成タンパク質「クランチ(Crunch)」を開発したと発表した。細胞の貪食機構を活用したこの技術は、既存の治療が困難であった細胞群に対する新しい治療プラットフォームとなる可能性がある。

  • 発表元→京都大学アイセムス
  • 発表日→2025年9月3日
  • 研究の目的→細胞死を伴わずに不要細胞を貪食によって除去する新規治療手法の確立
  • 開発された技術→合成タンパク質「クランチ(Crunch)」:Connector for Removal of Unwanted Cell Habitat
  • 技術の構成→標的認識部位、EGF様ドメイン、SHBG様ドメインの3モジュール
  • 動物実験での効果→メラノーマおよび自己免疫疾患マウスモデルで、がん細胞や異常なB細胞を除去し、病態を改善
  • 適用例→メラノーマに対するTYRP1標的クランチ、SLEマウスに対するCD19標的クランチ
  • 従来技術との違い→細胞死を誘導せず、直接的な貪食によって除去可能。抗体医薬やCAR-Tとの融合も可能
  • 臨床応用の展望→抗体やCAR-Tの標的認識部位を活用し、疾患特異的不要細胞の新たな治療戦略に
  • 今後の展開→ヒト疾患への応用に向けた改良およびバイオベンチャー設立が進行中
  • 掲載誌→Nature Biomedical Engineering(2025年9月3日オンライン掲載)
  • DOI→https://doi.org/10.1038/s41551-025-01483-9

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