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乳がんの血管擬態を抑制する新規アイソフォームを同定──診断・治療標的としての可能性

STELLANEWS.LIFE(ステラニュース・ライフ)は、最先端の生命科学・医療研究成果を迅速かつ精緻に報じることを使命とするメディアである。がん、再生医療、分子生物学などの分野において、社会的意義の高い研究に光を当てることで、科学と社会の架け橋となる情報提供を目指している。今回紹介するのは次の通り。

慶應義塾大学大学院理工学研究科を中心とした研究グループは、乳がんにおいてがん細胞が自ら血管様構造を形成する血管擬態(vasculogenic mimicry)に関わる新たなアイソフォーム、angulin-1/LSR(Ang-1)の特定タイプを同定した。研究成果は、Journal of Biological Chemistry誌に掲載された。

研究では、Ang-1の機能を解析し、特定のアイソフォームが血管擬態を抑制し、乳がんの悪性化を制御する役割を持つことを明らかにした。特に、新規アイソフォーム「Ang-1 iso6-2」は、がん組織で発現量が低下しており、EMT(上皮間葉転換)との関連も示唆されている。

  • 発表元→慶應義塾大学、栃木県立がんセンター、微生物化学研究所、大阪大学薬学研究科
  • 発表日→2025年8月27日(論文掲載日)
  • 研究の目的→乳がんの血管擬態形成に関与する診断分子の同定と、悪性化機構の理解
  • 研究の背景→血管擬態はがんの転移や治療抵抗性に関与し、診断分子の確立が求められていた
  • 研究手法→乳がん細胞株とマウス異種移植モデルを用いた機能解析
  • 主な成果→Ang-1を欠損させると血管擬態が促進、特定アイソフォーム「Ang-1 iso6-2」の発現が抑制要因であることを発見
  • 臨床的意義→Ang-1 iso6-2の発現量低下ががん悪性化と関連し、新たな診断マーカーとなる可能性
  • 将来の展望→乳がんの早期診断や予後予測に有用な診断法の開発、Ang-1を標的とした治療法への展開

AIによる情報のインパクト評価(あくまで参考として受け取ってください)

★★★★☆(★4つで2番目の評価)

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