STELLANEWS.LIFE(ステラニュース・ライフ)は、医薬品やバイオテクノロジー分野の最新情報を中心に、がん治療やその進展に関する重要な発表を読者に提供している。今回の記事では、Novartisが開発したリボシクリブ(ribociclib、商品名Kisqali、キスカリ)について、最新の第3相試験NATALEEの結果とその治療効果に焦点を当てる。
Novartisは、リボシクリブ(商品名キスカリ)がHR+/HER2-早期乳がん患者において再発リスクを28.5%低減することを示した最新の解析結果を発表した。
この結果は第3相試験NATALEEに基づいており、特にホルモン受容体陽性(HR+)/ヒト上皮成長因子受容体2陰性(HER2-)のステージIIおよびIIIの患者に対してリボシクリブが内分泌療法(ET)と併用され、
ET単独に比べ有意なiDFSの延長が確認された。
試験の4年間のフォローアップデータに基づく解析では、リボシクリブとETの併用療法は、疾患進行または死亡のリスクを28.5%(HR=0.715; 95% CI 0.609–0.840; P<0.0001)低減し、 リンパ節陰性を含むすべての患者サブグループにおいて一貫した利益が確認された。
- 発表元→Novartis
- 発表日→2024年9月16日
- 研究の目的→HR+/HER2-の早期乳がん患者におけるリボシクリブ併用内分泌療法の有効性を評価すること
- 臨床試験→NATALEE試験では、リボシクリブ併用療法によりiDFSが
統計学的に有意に改善され、再発リスクが28.5%低減した(HR=0.715; 95% CI 0.609–0.840) - 結果の要約→リボシクリブは、内分泌療法単独に比べて全患者サブグループで一貫した有効性を示し、
ステージIIおよびIIIの患者で再発リスクを低減した - リスク低減の割合→ 2023年6月の発表では、リボシクリブが再発リスクを25.2%低減したと報告された【HR=0.748】。2024年9月の発表では、追加解析により再発リスクが28.5%低減したことが示された【HR=0.715】。
- 解析期間とフォローアップ→ 2023年6月は、試験開始から約2年後のデータに基づいた結果。2024年9月は、フォローアップが4年に達した時点での追加解析に基づき、治療終了後も効果が持続していることが確認された。
- iDFSの改善幅→ 2023年6月は、リボシクリブ併用療法がiDFSを一貫して改善し、特定のサブグループでの有意な効果が報告された。2024年9月は、ノード陰性患者を含むすべてのサブグループでさらに明確なiDFSの向上が確認された。
- OSの傾向→ 2024年9月は、さらなるフォローアップが行われ、OSデータの成熟を待っている段階。
- 安全性プロファイル→安全性プロファイルは一貫しており、主に低グレードの副作用が報告された。2024年も新たな安全性の懸念はなかった。