-->シスプラチンによる難聴をIGF1が抑制 藤田医科大学と京大が保護効果を確認 | STELLANEWS.LIFE
サイトアイコン STELLANEWS.LIFE

シスプラチンによる難聴をIGF1が抑制 藤田医科大学と京大が保護効果を確認

STELLANEWS.LIFE(ステラニュース・ライフ)は、医療、科学、テクノロジーの領域で、患者の生活や治療選択に影響を与える研究成果を厳選し紹介するメディアである。基礎研究から臨床応用に至る橋渡しとなる情報を、専門的知見と社会的視点の双方から伝える。今回紹介するのは、抗がん剤の副作用である難聴を予防する新たな可能性を示した研究成果である。

藤田医科大学耳鼻咽喉科・頭頸部外科学の研究チームが、京都大学との共同研究を通じて、抗がん剤シスプラチン(CDDP)による内耳障害をインスリン様成長因子1(IGF1)が抑制できる可能性を初めて報告した。研究成果は、2025年4月に学術誌『Hearing Research』にオンライン掲載された。

CDDPは多くのがん治療で用いられる重要な薬剤であるが、その副作用として難聴を引き起こすことが知られている。特に子どもでは感音難聴が教育や社会的発達に深刻な影響を及ぼすことが指摘されており、治療とQOL維持の両立が課題であった。

研究チームは、マウス内耳の外有毛細胞を用いた実験において、IGF1を同時投与することで細胞の保護効果が得られることを確認。また、CDDPによる酸化ストレスの抑制効果や、細胞死(アポトーシス)の減少も観察された。

  • 発表元→藤田医科大学・京都大学
  • 発表日→2025年6月30日
  • 研究の目的→シスプラチンによる難聴に対するIGF1の保護作用の検証
  • 研究の手法→マウス内耳の外有毛細胞を用いた実験で、IGF1の投与効果を検討
  • 主な結果→IGF1投与により、細胞保護・酸化ストレス軽減・アポトーシス抑制の効果が確認された
  • 臨床応用の可能性→IGF1はすでに他疾患で使用実績があり、安全性の観点からも今後の臨床応用が期待される
  • 掲載論文→Hearing Research(2025年4月オンライン掲載)
  • DOI→10.1016/j.heares.2025.109287

AIによる情報のインパクト評価(あくまで参考として受け取ってください)

★★★★☆(★4つで2番目の評価)

モバイルバージョンを終了