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Regeneron Pharmaceuticalsは、再発または難治性の多発性骨髄腫(MM)に対する新しい治療選択肢として、リンボセルタマブ(linvoseltamab、商品名Lynozyfic、リノジフィック)が米国食品医薬品局(FDA)から迅速承認を取得したと発表した。この承認は、第1/2相試験LINKER-MM1の結果に基づくもので、70%の奏効率(ORR)、45%の完全奏効率(CR)という、既治療患者を対象とした二重特異性抗体の中でも高い有効性が示された。
- 発表元→Regeneron Pharmaceuticals
- 発表日→2025年7月2日
- 対象疾患→再発または難治性の多発性骨髄腫(MM)
- 承認内容→BCMA×CD3二重特異性抗体であるリンボセルタマブの成人患者への使用を迅速承認
- 臨床試験→第1/2相試験LINKER-MM1(n=80)にて高い奏効率と持続的な反応が確認された
- 試験結果→奏効率70%、完全奏効率45%、初回反応までの中央値0.95カ月、9カ月での奏効持続率89%
- 安全性→サイトカイン放出症候群(CRS)および神経毒性に関するBoxed Warningあり
- 副作用→筋骨格痛、呼吸器感染症、CRS、疲労、下痢、肺炎、頭痛などが20%以上で発現
- 投与スケジュール→段階的増量投与から開始し、14週以降は隔週、24週以降は良好な反応を示した患者には4週ごとの投与が可能
- 販売制限→リンボセルタマブ REMSプログラムを通じてのみ提供
AIによる情報のインパクト評価(あくまで参考として受け取ってください)
★★★★☆(★4つで2番目の評価)
多発性骨髄腫に対する治療選択肢が増えることは、特に複数の治療を受けた患者にとって臨床的意義が大きい。bispecific抗体による高い奏効率と柔軟な投与設計は注目に値するが、CRSや神経毒性への対応が必要であるため、導入には慎重さが求められる。