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AbbVieは、自己免疫疾患の治療に向けた革新的な細胞工学技術を取り込む目的で、Capstan Therapeuticsの買収を発表した。今回の買収により、AbbVieはCapstanの主力開発品CPTX2309およびtLNP(targeted lipid nanoparticle)プラットフォームを取得する。CPTX2309は、mRNAを用いてCD8陽性T細胞に体内で直接抗CD19キメラ抗原受容体(CAR)を発現させ、B細胞を標的とするin vivo型のCAR-T候補治療薬であり、現在第1相試験中である。
- 発表元→AbbVie
- 発表日→2025年6月30日
- 買収対象企業→Capstan Therapeutics
- 買収額→最大21億ドル(クロージング時に支払われる現金、調整あり)
- 主力開発品→CPTX2309(in vivo抗CD19 CAR-T療法候補)
- 対象疾患→B細胞が関与する自己免疫疾患
- 技術内容→tLNPを介してmRNAを体内送達し、特定細胞(CD8陽性T細胞)を直接改変
- 治療メカニズム→CAR発現により病原性B細胞を除去し、免疫系のリセットを促す
- プラットフォーム特性→肝臓回避設計(hepatic de-targeting)を含むRNA送達技術
- 製造工程→複雑な体外製造プロセスを不要とし、前処置(リンパ球除去)も必要なし
- 今後の展望→広範な自己免疫疾患への適用とスケーラブルな臨床展開が見込まれる
AIによる情報のインパクト評価(あくまで参考として受け取ってください)
★★★★★(★5つで最高評価)
in vivo CAR-Tという新しい治療概念は、既存のex vivo型のCAR-T療法に比べて製造の簡便性と投与の柔軟性を備えており、慢性疾患領域への拡張が期待される。自己免疫疾患に対して、免疫系の恒常性回復を図るアプローチは、症状緩和にとどまらない疾患修飾的効果を志向するものであり、長期的な医療戦略における重要なステップと位置づけられる。