STELLANEWS.LIFE(ステラニュース・ライフ)は、科学、医療、技術、社会に関連する多様な革新や進展を読者に伝えることを目的としている。今回は、AbbVieとIchnos Glenmark Innovation(IGI)による新たな三重特異性抗体の独占ライセンス契約に関する発表を取り上げる。
AbbVieとIchnos Glenmark Innovation(IGI)は2025年7月10日、三重特異性抗体ISB 2001の独占的ライセンス契約を締結したと発表した。ISB 2001は、CD38およびBCMAを標的とし、T細胞表面のCD3と結合することでがん細胞を排除する構造を持つ初の治療候補分子である。現在、再発・難治性多発性骨髄腫(R/R MM)患者を対象にした第1相試験が進行中である。
- 発表元→AbbVie、Ichnos Glenmark Innovation(IGI)
- 発表日→2025年7月10日
- 対象の製品→ISB 2001(三重特異性T細胞エンゲージャー抗体)
- 対象疾患→再発・難治性多発性骨髄腫(R/R MM)
- 契約内容→AbbVieがISB 2001の開発・製造・販売権を取得、IGIは7億ドルの前払い金と最大12億2500万ドルのマイルストーンを受領予定
- 薬剤の特徴→BEATプラットフォームを用いて開発されたISB 2001は、2つの異なるミエローマ抗原に対する結合能を持ち、低発現条件下でも高い親和性を保持
- 有効性データ→2025年ASCOで発表された35例のデータにおいて、全奏効率(ORR)は79%、完全奏効/厳密完全奏効(CR/sCR)率は30%、忍容性も良好
- 規制状況→米国食品医薬品局(FDA)は、2023年に希少疾病用医薬品指定、2025年にファストトラック指定を付与
AIによる情報のインパクト評価(あくまで参考として受け取ってください)
★★★★★(★5つで最高評価)
本件は、三重特異性抗体という新たな免疫療法の枠組みを示すものであり、難治性血液がんへの治療可能性を広げる点で画期的である。特に、既存治療に抵抗性を示す患者に対する新たな手段となる可能性がある。