STELLANEWS.LIFE(ステラニュース・ライフ)は、製薬企業や研究機関から発表される臨床試験の進展や医療に関わる科学的知見を広く取り上げ、社会や臨床現場への影響を整理して伝えることを目的としている。今回紹介するのは、AmgenとKyowa Kirinによるアトピー性皮膚炎を対象としたロカチンリマブの第3相試験拡張研究「ASCEND」の速報結果である。
AmgenとKyowa Kirinは2025年9月8日、米国カリフォルニア州と東京から、ロカチンリマブを用いたASCEND試験の中間結果を公表した。ASCENDは、ロカチンリマブの長期的な安全性と有効性を評価する目的で進行中の第3相長期投与延長試験であり、約2,600名の中等症から重症のアトピー性皮膚炎患者が参加している。
今回の解析対象は、先行するROCKETプログラム試験を終了後にASCENDへ移行した成人患者群で、24週間の初期治療後に追加で32週間観察された。結果として、副作用による中止率は低く、頻度の高い有害事象は上気道感染、アフタ性潰瘍、頭痛、インフルエンザ、咳嗽、鼻炎などであった。消化管潰瘍の発生は年間100人あたり1件未満と報告されている。
さらに、HORIZONまたはIGNITE試験で臨床的改善を得た患者を対象とした再割付解析では、ロカチンリマブ単剤療法を継続することで1年間にわたり皮膚クリアランス、かゆみ、疾患範囲や重症度の改善が維持されたことが示された。投与間隔を8週間まで延長できる可能性も報告され、治療負担軽減の観点から注目される。
- 発表元→Amgen、Kyowa Kirin
- 発表日→2025年9月8日
- 対象疾患→中等症から重症のアトピー性皮膚炎
- 治療薬→ロカチンリマブ(OX40受容体阻害抗体)
- 試験名→ASCEND(第3相長期投与延長試験、ROCKETプログラムの一部)
- 主な結果→有害事象は既知の範囲で管理可能、1年間にわたる有効性の持続を確認
- 今後の予定→最長104週間までの評価が継続され、国際学会や査読誌で詳細が公表予定
AIによる情報のインパクト評価(あくまで参考として受け取ってください)
★★★☆☆(★3つで3番目の評価)