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Merckは2025年9月19日、抗PD-1抗体製剤ペムブロリズマブ(商品名キイトルーダ)について、欧州医薬品庁(EMA)のヒト用医薬品委員会(CHMP)から2つの肯定的意見を得たと発表した。1つは、これまで点滴静注で投与されてきた本剤を皮下投与(SC)として用いることを可能とする新たな製剤形に関するものであり、承認されればEUにおけるすべての成人適応で使用可能となる。もう1つは、局所進行性頭頸部扁平上皮がん(LA-HNSCC)に対し、周術期治療の一環として使用する適応追加に関するものである。
CHMPの肯定的意見は、欧州委員会(EC)での最終審査を経て、2025年第4四半期に承認可否が決定される見込みである。皮下投与に関する申請は、第3相試験「3475A-D77」の結果に基づいており、ペムブロリズマブ皮下投与と静注投与で薬物動態的に同等であることが確認された。一方、LA-HNSCCに関しては、第3相試験「KEYNOTE-689」により、周術期におけるペムブロリズマブを用いた治療で、放射線療法単独と比較してイベントフリー生存期間(EFS)が統計学的有意に延長したことが示されている。
AIによる情報のインパクト評価(あくまで参考として受け取ってください)
★★★★☆(★4つで2番目の評価)
- 発表元→Merck(米国、米国外ではMSD)
- 発表日→2025年9月19日
- 対象薬剤→ペムブロリズマブ(商品名キイトルーダ)
- 肯定的意見①→皮下投与(SC)による新製剤形、欧州におけるすべての成人適応での使用
- 肯定的意見②→局所進行性頭頸部扁平上皮がん(LA-HNSCC)の周術期治療における新適応
- 試験根拠→「3475A-D77」試験(SCとIV投与の比較)、第3相「KEYNOTE-689」試験(LA-HNSCC周術期治療)
- 次のステップ→欧州委員会(EC)の審査、2025年第4四半期に最終判断