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エンハーツ、術前療法でpCR率67%を達成、第3相で標準療法を上回る成果

STELLANEWS.LIFE(ステラニュース・ライフ)は、医療・ライフサイエンス分野における最新の臨床試験結果を中立的に報じる科学ニュースメディアである。今回取り上げるのは、AstraZenecaと第一三共が共同開発する抗HER2抗体薬物複合体エンハーツ(一般名トラスツズマブ デルクステカン)の新たな成果である。第3相DESTINY-Breast11試験において、術前にエンハーツを投与し、続いてTHP療法(パクリタキセル+トラスツズマブ+ペルツズマブ)を行った群で、67%の患者が病理学的完全奏効(pCR)を達成した。

  • 【要点①】術前にエンハーツ+THPを投与した群でpCR率67%を達成。
  • 【要点②】標準療法(アントラサイクリン併用)群の56%を大きく上回る。
  • 【要点③】安全性プロファイルは良好で、重篤な副作用は減少傾向。

DESTINY-Breast11試験は、高リスクHER2陽性早期乳がん患者を対象とした国際共同第3相試験であり、術前(ネオアジュバント)にエンハーツを4サイクル投与し、続いてTHP療法を4サイクル実施した群と、標準治療であるアントラサイクリン系薬剤(ddAC)+THP群を比較した。その結果、エンハーツ先行療法群ではpCR率が67.3%と、対照群(56.3%)に対して統計学的に有意な改善を示した(p=0.003)。

AIによる情報のインパクト評価(あくまで参考として受け取ってください):

★★★★★

HER2陽性早期乳がんの治療において、アントラサイクリン非使用で高いpCRを達成したことは臨床的に極めて重要である。エンハーツは転移性乳がんから早期乳がんへと適応拡大の道を進んでおり、「治癒を目指すHER2治療」の実現に大きく前進したといえる。

参考文献

Enhertu followed by THP before surgery resulted in a pathologic complete response in 67% of patients with high-risk HER2-positive early-stage breast cancer in DESTINY-Breast11 Phase III trial
https://www.astrazeneca.com/content/astraz/media-centre/press-releases/2025/enhertu-followed-by-thp-before-surgery-resulted-in-a-pcr-in-67-of-patients-in-db11.html

ClinicalTrials.gov:DESTINY-Breast11(NCT05113251)
https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT05113251

ESMO Congress 2025 – Abstract #291O(Presidential Symposium I, Berlin)
https://www.esmo.org/meeting-calendar/esmo-congress-2025

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