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- トラスツズマブ デルクステカン(エンハーツ)の第3相試験がHER2陽性早期乳がんの術前療法で主要評価項目を達成
- 病理学的完全奏効率は67.3%で標準治療の56.3%を上回る
- グレード3以上の有害事象は減少、安全性プロファイルは既知の範囲内
第一三共は、再発リスクの高いHER2陽性早期乳がんを対象とした術前療法において、トラスツズマブ デルクステカン(エンハーツ)が標準治療に比べ病理学的完全奏効率で有意な改善を示したと発表した。欧州臨床腫瘍学会(ESMO 2025)のPresidential Symposiumで報告された第3相試験(DESTINY-Breast11)の結果によると、本剤を用いたレジメンはホルモン受容体の状態を問わず高い奏効を示した。
- 発表元→ 第一三共(ESMO 2025 発表)
- 対象→ 再発リスクの高いHER2陽性早期乳がんの術前療法
- 試験→ 第3相(DESTINY-Breast11)。T-DXd後THP療法群321名 vs 標準ddAC-THP療法群320名
- 病理学的完全奏効率→ 67.3%(T-DXd後THP) vs 56.3%(標準治療)
- 術後の残存病変ほぼなし→ 81.3%(T-DXd後THP) vs 69.1%(標準治療)
- 無イベント生存期間→ 現時点ではフォローアップ継続中
- 安全性→ グレード3以上の有害事象は37.5%(T-DXd後THP) vs 55.8%(標準治療)。ILD発現率は4.4% vs 5.1%
- ILD内訳→ グレード1–2:12名、グレード3–4:1名、グレード5(死亡):1名(T-DXd後THP群)
- 申請状況→ 米国で承認申請受理済み。その他地域でも協議進行中
参考文献
第一三共 プレスリリース(2025年10月20日)
https://www.daiichisankyo.co.jp/files/news/pressrelease/pdf/202510/20251020_J1.pdf
