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UCBは、関節リウマチ学会(ACR 2025)において、ビメキズマブ(商品名ビムゼルクス、一般名bimekizumab-bkzx)の3年間にわたるデータを発表し、乾癬性関節炎(PsA)および軸性脊椎関節炎(axSpA)において持続的な炎症コントロールと臨床的改善が維持されたことを報告した。今回の記事で伝える情報は次の通り。
- ビメキズマブは、IL-17AおよびIL-17Fを同時に阻害する初の抗体であり、3年間の長期有効性データが示された。
- 乾癬性関節炎および軸性脊椎関節炎の両疾患で、炎症の持続的コントロールと機能改善が確認された。
- 実臨床でも早期から生活の質(QOL)の改善効果が認められた。
今回の報告は、ビメキズマブの第3相試験およびそのオープンラベル延長試験の3年データであり、乾癬性関節炎および軸性脊椎関節炎を対象としている。ビメキズマブは、インターロイキン17Aおよび17Fの両方を選択的に阻害するヒト化IgG1モノクローナル抗体であり、長期的な炎症抑制と関節・皮膚・腱付着部の症状改善を維持した。さらに、実臨床研究では、投与開始2週目から生活の質の改善がみられた。
- 発表元→ UCB(ベルギー・ブリュッセル)
- 発表日→ 2025年10月25日
- 対象疾患→ 乾癬性関節炎(PsA)、軸性脊椎関節炎(axSpA)
- 研究の背景→ これらの疾患は慢性的な炎症性疾患であり、長期にわたる疾患活動性の制御が臨床上の重要課題である。
- 試験デザイン→ 第3相試験(BE OPTIMAL、BE COMPLETE、BE MOBILE 1、BE MOBILE 2)およびオープンラベル延長試験。実臨床研究(SPEAK)も実施。
- 一次エンドポイント→ PsAではACR50達成率、axSpAではASAS40反応率。
- 二次エンドポイント→ 炎症スコア(ASDAS LDA)維持率、QOL指標(SF-36、PGADA、ASAS HI)など。
- 主要結果→ PsAでは1年時の改善が3年間維持され、axSpAでは50%の患者がASDAS LDA(低疾患活動性)を3年間維持。22%は1回のみ喪失。
- 安全性→ 長期試験および実臨床で重篤な新規安全性シグナルは報告されず。炎症性腸疾患(IBD)発現率は低値(100患者年あたり0.1〜0.7件)。主な有害事象は上気道感染、口腔カンジダ症、頭痛など。
- 臨床的含意→ IL-17A/F二重阻害による長期炎症制御が可能であり、関節破壊進行抑制やQOL改善に寄与する可能性。
- 制限事項→ 一部解析はオープンラベル延長データを含み、バイアスの影響を受ける可能性あり。
- 次のステップ→ 長期安全性データの追跡と、実臨床での適応拡大を検証中。
AIによる情報のインパクト評価(あくまで参考として受け取ってください):
★★★★☆
IL-17A/17F二重阻害の長期有効性を裏付けるエビデンスとして意義が高い。炎症性関節疾患における治療維持戦略の確立に寄与する可能性がある。
参考文献
UCB:BIMZELX(bimekizumab-bkzx) three-year rheumatology data at ACR 2025 demonstrated sustained inflammation control in psoriatic arthritis and axial spondyloarthritis
https://www.ucb.com/newsroom/press-releases/article/bimzelxr-bimekizumab-bkzx-three-year-rheumatology-data-at-acr-2025-demonstrated-sustained-inflammation-control-in-psoriatic-arthritis-and-axial-spondyloarthritis
