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テズスパイア、慢性副鼻腔炎(鼻茸)でEU承認──TSLP阻害薬として初の適応拡大

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アストラゼネカ(AstraZeneca)とアムジェン(Amgen)は、重症の慢性副鼻腔炎(Chronic Rhinosinusitis with Nasal Polyps:CRSwNP)に対する生物学的製剤テゼピルマブ(商品名テズスパイア)が欧州連合(EU)で承認されたと発表した。今回の記事で伝える情報は次の通り。

  • 【要点①】テズスパイアがCRSwNPに対するEU初のTSLP阻害薬として承認。
  • 【要点②】第3相WAYPOINT試験で、鼻茸の重症度、鼻閉、全身性ステロイド使用および手術必要性を有意に減少。
  • 【要点③】安全性は既知のプロファイルと整合し、COVID-19、上気道感染などが主な有害事象。

慢性副鼻腔炎(CRSwNP)は鼻腔内に良性のポリープ(鼻茸)が形成される慢性炎症性疾患で、欧州では患者の約半数が標準治療下でも症状が制御されない。テゼピルマブは胸腺間質性リンホポエチン(Thymic Stromal Lymphopoietin:TSLP)を阻害するヒトモノクローナル抗体であり、上皮細胞由来炎症の起点を抑制する作用を持つ。WAYPOINT試験の結果に基づき、欧州委員会(EC)は鼻用ステロイドとの併用療法としての追加適応を承認した。

AIによる情報のインパクト評価(あくまで参考として受け取ってください):

★★★★☆

CRSwNPにおけるTSLP阻害の臨床的有効性が確認されたことは、上皮炎症性疾患の治療概念を拡張するものであり、長期的に標準治療体系を変える可能性がある。

参考文献

Tezspire approved in the EU for chronic rhinosinusitis with nasal polyps
https://www.astrazeneca.com/media-centre/press-releases/2025/tezspire-approved-in-eu-for-crswnp.html

ClinicalTrials.gov:WAYPOINT試験(NCT04851964)
https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT04851964

Lipworth BJ, Han JK, et al. N Engl J Med. 2025;392(12):1178–1188.

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