STELLANEWS.LIFEは、医薬品開発や新たな治療法に関する最新情報をわかりやすくお届けすることを目指している。今回紹介するのは、遺伝性難聴に対する革新的な遺伝子治療の臨床試験データに関するものである。米国で初めて遺伝性難聴の患者に適用された遺伝子治療AK-OTOFが、単回投与後30日以内に聴覚回復を示した初期結果を発表。この治療法は、otoferlin遺伝子(OTOF)の変異による感音性難聴の治療を目的として開発されている。
- 発表日→2024年1月23日。
- 開発企業→Eli Lillyの完全子会社であるAkouos, Inc。
- 臨床試験フェーズ→フェーズ1/2 AK-OTOF-101試験。
- 参加者の経験→重度の難聴を呈する最初の参加者がAK-OTOF投与後30日以内に聴覚が回復。
- 治療法→otoferlin遺伝子(OTOF)の変異による感音性難聴治療のための遺伝子治療。
- 投与方法→単回、片側内耳内投与。
- 評価方法→行動オージオメトリーおよび聴性脳幹反応(ABR)による聴覚回復の評価。
- 国際的な協力→AK-OTOF-101臨床試験とAK-OTOF-NHS-002自然歴の研究は希少遺伝性疾患でもあり国際的な協力で進められた。
- 承認状況→米国食品医薬品局(FDA)によるオーファンドラッグ指定および希少小児疾病指定を受け、欧州医薬品庁(EMA)のオーファン医薬品委員会(COMP)からもポジティブな意見を得る。