STELLANEWS.LIFE(ステラニュース・ライフ)は、医薬品やバイオテクノロジー分野の最新情報を中心に、
がん治療やその進展に関する重要な発表を読者に提供している。今回の記事では、
AstraZenecaと第一三共が開発したトラスツズマブ デルクステカン(商品名エンハーツ)について、
米国食品医薬品局(FDA)による優先審査の決定を取り上げる。
AstraZenecaと第一三共のトラスツズマブ デルクステカンは、
切除不能または転移性のHER2低発現(IHC 1+またはIHC 2+/ISH-)または
HER2超低発現(IHC 0で膜染色あり)の乳がん患者向けの治療薬として、
FDAにより優先審査が認められた。この決定は、
第3相試験DESTINY-Breast06の肯定的な結果に基づいている。
この試験では、トラスツズマブ デルクステカンは化学療法と比較して、疾患の進行または死亡リスクを37%低減し、
無増悪生存期間(PFS)の中央値はトラスツズマブ デルクステカン群で13.2カ月、化学療法群で8.1カ月であった。
試験結果はHER2低発現およびHER2超低発現の患者間で一貫していた。
- 発表元→AstraZenecaおよび第一三共
- 発表日→2024年10月1日
- 研究の目的→HER2低発現またはHER2超低発現の転移性乳がん患者に対する
トラスツズマブ デルクステカンの有効性と安全性を評価すること - 臨床試験→第3相試験DESTINY-Breast06において、トラスツズマブ デルクステカンは化学療法と比較して
疾患の進行リスクを37%低減した(HR 0.63, 95% CI: 0.53-0.75, p<0.0001) - 結果の要約→トラスツズマブ デルクステカン群では無増悪生存期間の中央値が13.2カ月、
化学療法群では8.1カ月であり、HER2低発現およびHER2超低発現の患者で一貫した結果が得られた