STELLANEWS.LIFE(ステラニュース・ライフ)は、先端医療の成果を、臨床現場に直結する形で分かりやすく伝えることに特化した科学報道メディアである。医療従事者や研究者だけでなく、治療に向き合う患者と家族にとっても有用な情報提供を目的とし、国際的な学会や論文発表を綿密に追跡している。今回紹介するのは次の通り。
- Merckが開発中の皮下投与型ペムブロリズマブ(商品名キイトルーダ)と静脈内投与との比較第3相試験「3475A-D77」の結果を発表
- 薬物動態において非劣性を示し、投与時間や医療従事者の作業時間の大幅短縮を確認
- 現在、米国および欧州での承認申請が審査中
Merckは、進行非小細胞肺がん(NSCLC)の一次治療として、皮下投与型のペムブロリズマブ(商品名キイトルーダ)を静脈内投与と比較する第3相試験「3475A-D77」の結果を欧州肺がん会議(ELCC)で発表した。皮下投与は、ヒトヒアルロニダーゼ変異体であるベラヒアルロニダーゼアルファとの併用により開発された新たな製剤形態で、投与時間の短縮および医療現場での効率化が注目されている。
- 発表元→Merck
- 発表日→2025年3月27日
- 研究の背景→免疫チェックポイント阻害薬であるペムブロリズマブの皮下投与製剤の開発と、それが静脈内投与と同等の有効性と安全性を持つかを検証
- 研究の手法→ランダム化非盲検の第3相試験3475A-D77、化学療法と併用して皮下または静脈内で6週間ごとに投与。377例が登録(2:1に無作為割付)
- 研究の結果→皮下投与は、初回投与周期でのAUCおよび定常状態でのトラフ濃度で非劣性を示し(p<0.0001)、客観的奏効率、無増悪生存期間、奏効期間、安全性においても静脈内投与と同等の結果
- 副次的所見→皮下投与では、治療チェアの滞在時間が49.7%、治療室の滞在時間が47.4%、医療従事者の作業時間が45.7%短縮
- 安全性→グレード3以上の有害事象は皮下投与群で47%、静脈内投与群で47.6%。局所注射部位反応は2.4%(全て軽度)。治療中止に至った治療関連有害事象の頻度も両群で同等
- 承認申請状況→米国食品医薬品局(FDA)が皮下製剤の承認申請を受理し、審査終了予定日は2025年9月23日。欧州医薬品庁(EMA)でも審査中
参考文献
Merck’s Investigational Subcutaneous Pembrolizumab With Berahyaluronidase Alfa Demonstrates Noninferior Pharmacokinetics Compared to Intravenous (IV) KEYTRUDA (pembrolizumab) in Pivotal 3475A-D77 Trial
https://www.merck.com/news/mercks-investigational-subcutaneous-pembrolizumab-with-berahyaluronidase-alfa-demonstrates-noninferior-pharmacokinetics-compared-to-intravenous-iv-keytruda-pembrolizumab-in-pivotal/