STELLANEWS.LIFE(ステラニュース・ライフ)は、医療、バイオテクノロジー、環境、デジタル分野など、多様な科学的進展を専門家の視点から分かりやすく伝えることに注力しているニュースメディアである。世界中の研究・産業・規制の最前線で展開される技術革新を、医療従事者、企業、研究者、そして一般読者に正確に届ける。今回紹介するのは次の通り。
BayerとKumquat Biosciencesは、KRAS G12D変異に対する阻害薬の開発・商業化に関して、独占的なグローバルライセンス契約を締結した。KumquatはKRAS経路に関する豊富な知見を持つ臨床開発段階のバイオテクノロジー企業であり、本提携によりBayerの精密医療領域における腫瘍ポートフォリオがさらに拡充される。
本契約の下で、Kumquatは第1相a試験(Phase Ia)の開始と完了を担当し、その後の開発および商業化活動はBayerが担う。米国食品医薬品局(FDA)は2025年7月に本候補薬に対して治験新薬(IND)を承認している。
Kumquatは、本契約により、契約一時金、臨床開発および商業化マイルストンを含め最大13億ドルを受け取る可能性がある。また、売上に基づく段階的なロイヤルティも規定されている。さらに、Kumquatは米国内での損益分配に関して交渉権を保持している。
KRAS変異は、膵管腺がん(PDAC)では37%、大腸がんで13%、非小細胞肺がんで4%の頻度で認められ、がん全体の約25%に存在する。特にG12D変異は最も一般的で腫瘍を促進する変異であるが、現在まで有効な治療法が存在しない。
膵臓がん(PDAC)は全膵がんの85%を占め、治療選択肢が限られ、5年生存率は10%未満と極めて予後不良である。世界的にも死亡率の高いがんであり、今後も新規症例は増加傾向にある。
- 発表元→Bayer / Kumquat Biosciences
- 発表日→2025年8月12日
- 契約内容→KRAS G12D阻害薬の開発・商業化に関する独占的グローバルライセンス契約
- 契約金額→最大13億ドル(契約一時金、マイルストン、売上ロイヤルティを含む)
- 対象疾患→膵がん、大腸がん、非小細胞肺がんなどのKRAS G12D変異関連がん
- 開発体制→初期の臨床試験はKumquatが実施、その後の開発・商業化はBayerが担当
- 規制状況→2025年7月にFDAが治験新薬(IND)を承認
- 今後の展望→KRAS G12D変異に特化した新規治療薬として、他のKRAS変異への応用も視野に入れる
AIによる情報のインパクト評価(あくまで参考として受け取ってください)
★★★★☆