STELLANEWS.LIFE(ステラニュース・ライフ)は、科学、技術、医療、社会課題にわたる幅広いテーマを対象に、世界で発表された新しい出来事を取り上げ、その影響を専門的な視点から整理することを目的とするメディアである。単に研究や承認情報を伝えるだけでなく、政策や社会に及ぼす意味合いも考察しながら、読者にとって有益な情報を提供している。今回紹介するのは、OtsukaとLundbeckが米国食品医薬品局(FDA)から受けた重要な審査結果に関するニュースである。
Otsuka PharmaceuticalとH. Lundbeckは、ブレクスピプラゾール(商品名REXULTI)とセルトラリンの併用療法を成人の心的外傷後ストレス障害(PTSD)に対して適応追加する補足的新薬承認申請(sNDA)について、FDAから完全回答通知(Complete Response Letter:CRL)を受領したと2025年9月20日に発表した。
今回の通知では、申請は審査を完了したものの、現時点の形では承認できないとされ、その理由として「有効性を支持する十分な証拠が示されていない」ことが挙げられた。OtsukaとLundbeckはこれまでに3件の臨床試験データを提出していたが、FDAはすべての試験が承認に必要な証拠として適格ではないと判断した。
この結論は2025年7月に開催された精神薬理諮問委員会の勧告に沿うものであり、委員会は10対1で「有効性が確立されていない」と投票していた。FDAは今後、承認を目指す場合には追加の大規模かつ適切に設計された臨床試験が必要と述べている。
ブレクスピプラゾールは2015年に米国で統合失調症と大うつ病補助療法に承認され、2023年にはアルツハイマー病に伴う興奮の治療にも承認された実績を持つ。しかし今回の結果は、新たな適応拡大における課題を示すものとなった。
- 発表元→Otsuka Pharmaceutical Co., Ltd. / H. Lundbeck A/S
- 発表日→2025年9月20日
- 対象疾患→心的外傷後ストレス障害(PTSD)
- 申請内容→ブレクスピプラゾール(REXULTI)+セルトラリンの併用療法に関する補足的新薬承認申請(sNDA)
- FDAの判断→有効性を支持する十分な証拠がなく、現段階では承認不可
- 今後の対応→追加の十分に管理された臨床試験が必要と指摘
AIによる情報のインパクト評価(あくまで参考として受け取ってください)
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