STELLANEWS.LIFE(ステラニュース・ライフ)は、科学、医療、社会、テクノロジーなど幅広い領域で生まれる新しい発表や知見を伝えるメディアである。日々更新される膨大な研究や規制当局の動向の中から注目すべき事実を取り上げ、中立的な観点を重視して紹介する。今回紹介するのは次の情報である。
Merckは2025年9月19日、ペムブロリズマブ(商品名キイトルーダ)とベラヒアルロニダーゼアルファを配合した皮下注射製剤「キイトルーダQLEX」について、米国食品医薬品局(FDA)から承認を取得したと発表した。これは免疫チェックポイント阻害薬として初めて皮下注射で投与できる製剤であり、従来の静脈内投与に代わる新たな選択肢となる。
キイトルーダQLEXは、ほとんどの固形がんにおけるキイトルーダの既承認適応を対象としており、医療従事者が1分程度で皮下注射可能である。臨床試験では静脈内投与と比較して薬物動態、有効性、安全性の面で同等性が確認され、投与に要する時間が大幅に短縮される点が特徴である。
安全性については、免疫関連有害事象(肺炎、大腸炎、肝炎、内分泌障害、腎炎、皮膚反応など)が発生する可能性があり、早期の認識と適切な管理が不可欠とされている。特に、重度の過敏反応や移植患者での合併症リスクも指摘されている。主な副作用としては、吐き気、倦怠感、筋骨格系の痛みが20%以上の患者で報告されている。
今回の承認により、患者は静脈内投与のために長時間の点滴を必要とせず、診療所や地域のクリニックでも短時間で治療を受けられる可能性が広がる。利便性と治療継続性の観点から大きな変化をもたらす承認といえる。
AIによる情報のインパクト評価(あくまで参考として受け取ってください)
★★★★★(★5つで最高評価)
- 発表元→Merck(米国外ではMSD)
- 発表日→2025年9月19日
- 対象薬剤→ペムブロリズマブ(商品名キイトルーダ)+ベラヒアルロニダーゼアルファ配合製剤「キイトルーダQLEX」
- 適応→キイトルーダの既存承認適応の大部分を対象とする固形がん治療
- 投与方法→皮下注射(1分以内で投与可能、3週または6週間隔)
- 試験根拠→第3相試験(3475A-D77)で静脈内投与との同等性を確認
- 主な副作用→吐き気(25%)、倦怠感(25%)、筋骨格系の痛み(21%)
- 安全性上の注意点→免疫関連有害事象(肺炎、大腸炎、肝炎など)、重度の過敏反応、妊婦への胎児リスク
- 今後の展開→2025年9月末に米国内で供給開始予定