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ベージニオ、HR+/HER2−高リスク早期乳がん補助療法でOS延長──第3相最終解析

STELLANEWS.LIFE(ステラニュース・ライフ)は、科学技術・医療・ライフサイエンスの分野における研究成果を中立的に伝えるニュースメディアである。今回の記事では、Eli Lilly and Company(Lilly)が開発したCDK4/6阻害薬アベマシクリブ(商品名ベージニオ)が、ホルモン受容体陽性(HR+)、ヒト上皮成長因子受容体2陰性(HER2−)、リンパ節陽性の高リスク早期乳がん(EBC)を対象に実施された第3相monarchE試験において、全生存期間(OS)を有意に延長させたことを紹介する。本成果はAnnals of Oncology誌に同時掲載され、欧州臨床腫瘍学会(ESMO)年次総会で発表された。

  • 【要点①】2年間のアベマシクリブ+内分泌療法により、死亡リスクを15.8%低減。
  • 【要点②】侵襲性無病生存期間(IDFS)および遠隔再発無病生存期間(DRFS)でも持続的な改善を確認。
  • 【要点③】21世紀に入って初めて、HR+/HER2−高リスクEBCでOSを有意に改善した補助療法。

乳がん治療の補助療法領域では、長年にわたり新たな治療薬が限られていた。今回のmonarchE試験の結果は、アベマシクリブが初めてOSにおいて有意な改善を示したことから、臨床的に極めて重要である。解析の中央値追跡期間は6.3年であり、75%以上の患者が治療終了後4年以上追跡されている。7年時点でのOSはアベマシクリブ群86.8%、対照群85.0%であり、ハザード比(HR)0.842(95%信頼区間0.722–0.981、p=0.027)と統計学的有意差を認めた。

AIによる情報のインパクト評価(あくまで参考として受け取ってください):

★★★★★

乳がん補助療法領域において20年以上ぶりにOSを改善した意義は極めて大きい。治療期間終了後も持続的な効果を示しており、長期的な臨床アウトカム改善への期待が高い。

参考文献

Lilly’s Verzenio (abemaciclib) prolonged survival in HR+, HER2-, high-risk early breast cancer with two years of treatment
https://investor.lilly.com/news-releases/news-release-details/lillys-verzenior-abemaciclib-prolonged-survival-hr-her2-high

Johnston SRD, et al. Annals of Oncology. 2025; Published online Oct 17, 2025.

ClinicalTrials.gov:monarchE試験
https://clinicaltrials.gov/study/NCT03155997

Johnston SRD, Toi M, et al. “Abemaciclib plus endocrine therapy for HR+, HER2− high-risk early breast cancer.” Lancet Oncol. 2023;24(1):77–90.
https://doi.org/10.1016/S1470-2045(22)00812-5

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