2020年9月7日、日本脈管学会の新理事長が挨拶で脈管学の展望を示している。
旭川医科大学外科学講座血管外科学分野の東信良氏が7月25日の同学会中間理事会で代表理事を拝命したと報告。
「次の10年は、情報化・画像技術が急速に進み、それに伴い医師の役割も大いに影響され、また、高齢化がさらに進むことによって人類の脈管は未踏の領域に突入し、血管の生理や病理において新たな課題に対峙しなければならないかも知れません」と指摘。
その上で、「日本脈管学会は統合学会として、専門化・細分化した世界をつなぎ、情報伝達・情報処理・人工知能・ゲノム、再生医療などといった脈管学の周辺で急速に発達する科学・工学と臨床とをつなぐという益々大きな役割を果たさなければならないと考えられ、次の10年は当学会にとっても変革を求められることになるのではないかと考えております」と説明している。
「学会の在り方が問われ、遠隔で物事が進んでいますが、やはり学会とはどのような形であれ、出会いの場を提供するというところに大きな役割があるものと考えます。科学が飛躍的に進歩する際に、多かれ少なかれ、異分野との交流が起爆剤となっております。そこまで大きなことはなくても、学会に行って、何となく聞いた講演やたまたま出合った人との話、あるいは思い切って演者に質問したことがその後大きな仕事の契機になったという方は少なくないのではないかと思います」と学会の意義についての考え方を示している。