ヒトパピローマウイルス(HPV)感染と陰茎がんとの関連に光が当てられた。

この研究により、陰茎扁平上皮がん(SCC)および前癌病変のかなりの症例でHPV-DNAが検出されることが明らかになった。この発見は、増加しつつあるこのタイプのがんの予防と治療戦略の改善につながる可能性がある。

陰茎がんの発生率は欧州で増加し、HPV感染を含む潜在的な危険因子の調査が促されている。しかし、陰茎がんの発生におけるHPVの正確な役割は不明なまま。この関連を理解することは、この種のがんの予防と治療アプローチを強化する上で極めて重要。

大学病院において、2012年から2021年の間に陰茎のSCCまたは陰茎上皮内新生物(PeIN)と診断された患者を対象に、後ろ向き観察研究を実施した。

研究対象は25例で、ほとんどの症例が浸潤性SCCとSCC in situ(PeIN 3)。

25例中18例の組織検体からHPV-DNAが検出。HPV陽性検体のほぼすべてに高リスク型HPV(9価HPVワクチンに含まれるもの)が含まれていた。HPV-DNAを有する患者は若く、包茎である可能性が低く、浸潤性SCCよりもPeIN病変を有する可能性が高かった。

本研究は、陰茎癌発生におけるHPVの役割を理解することの重要性を強調するもの。陰茎SCCおよび前癌病変におけるHPVの存在を同定することにより、医療専門家は標的治療計画を立案し、高リスク者に対するサーベイランスを改善することができる。

参考文献

Guimaraes MJ, Macieira R, Azevedo F, Lisboa C. Association between HPV infection and penile cancer and penile intraepithelial neoplasia: a retrospective observational study. J Eur Acad Dermatol Venereol. 2023 Aug 1. doi: 10.1111/jdv.19393. Epub ahead of print. PMID: 37528497.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/37528497/

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執筆/編集/審査監修/AI担当

星 良孝(ほし・よしたか)
ステラ・メディックス代表/ 獣医師 ジャーナリスト。日経BP、エムスリーなどに所属し、医療や健康、バイオなどの分野を取材。

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