2023年3月6日、バイエル社は、米国心臓病学会第72回年次学術集会で、非弁膜症性心房細動(NVAF)と進行した慢性腎臓病(CKD)を有する患者におけるリバーロキサバン(商品名イグザレルト)の影響を評価したXARENO試験に関するデータが発表されたと報告した。

プレスリリースのアウトラインは次の通り。

リバーロキサバンは、非ビタミンK拮抗型経口抗凝固薬(NOAC)。脳卒中の予防、深部静脈血栓症、肺塞栓症、再発性静脈血栓塞栓症の治療など、他の非ビタミンK拮抗型経口抗凝固薬よりも多くの静脈および動脈血栓塞栓症の症状に対して承認されている。

今回の研究によりリバーロキサバンはビタミンK拮抗薬と比較して、非弁膜症性心房細動と進行した慢性腎臓病患者における腎臓の有害事象および全死因死亡率を減少させることが示された。リバーロキサバンは慢性腎臓病ステージ5への進行または透析を含む腎代替療法の開始リスクの低減と関連した。ビタミンK拮抗薬と比べて腎臓関連の有害事象が減る可能性も示した。

以上がプレスリリースの要点だ。

今回の研究のように、心房細動をわずらう人は血栓ができやすく、そのために血栓が脳血管に流れて脳卒中になるリスクがある。しかも心房細動では腎機能低下も起こりやすい。そのために血液を固まりにくくする薬の意義は大きい。

リバーロキサバンは文字通り血液の凝固を抑える薬になり、心房細動がある場合には治療薬の選択肢になる。この薬によって血液が固まりにくくするのだが、半面で出血のリスクを高める可能性も想定しないといけない。出血傾向が高まれば身体の各所からの出血の可能性があるほか、血便や血尿の可能性も考える必要がある。

その意味から、腎臓の機能が低下している人では、出血傾向のある薬を使うことにはそれが安全なのか注意をする必要もある。

今回の研究では、腎臓の有害事象を減らした上で、全死因死亡率を減らすことができたのは重要な発見だったと考えられ、安心材料になると見られる。

参考文献

New real world study data on reduced risk of adverse kidney outcomes for Xarelt compared to VKA
https://www.bayer.com/media/en-us/new-real-world-study-data-on-reduced-risk-of-adverse-kidney-outcomes-for-xarelto-compared-to-vka/

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執筆/編集/審査監修/AI担当

星 良孝(ほし・よしたか)
ステラ・メディックス代表/ 獣医師 ジャーナリスト。日経BP、エムスリーなどに所属し、医療や健康、バイオなどの分野を取材。

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