ノバルティス社は、2022年12月13日、抗C5抗体による前治療にもかかわらず貧血が残存している発作性夜間血色素尿症(PNH)の成人患者を対象とした経口単剤療法イプタコパンが抗補酵素(C5)療法に優ることを示す、第III相APPLY-PNHデータを発表した。
イプタコパンは経口投与可能な低分子の補体B因子阻害剤で、免疫調節作用が期待されている。C5終末経路の上流に作用し、発作性夜間血色素尿症における血管内溶血だけでなく血管外溶血も防ぐ。
今回発表された試験では、主要評価項目およびほとんどの副次評価項目を達成した。成人PNH患者において赤血球輸血を必要とせずにヘモグロビン値の上昇を達成した患者さんの割合に、有意差があることも示された。ほぼ全ての患者において輸血の必要なく、溶血の重症例もないことが実証された。
最近発表された補体阻害剤未使用を対象とした良好な第Ⅲ相試験データもあり、イプタコパンのPNHに対する安全性と有効性があらためて確認された形になる。
日腎会誌 2019;61(4):499‒506.
https://jsn.or.jp/journal/document/61_4/499-506.pdf
Novartis presents pivotal Phase III APPLY-PNH data at ASH demonstrating investigational oral monotherapy iptacopan superiority over anti-C5
https://www.novartis.com/news/media-releases/novartis-presents-pivotal-phase-iii-apply-pnh-data-ash-demonstrating-investigational-oral-monotherapy-iptacopan-superiority-over-anti-c5