日本公衆衛生学会と日本疫学会が感染症法改正議論に関する声明を2021年1月14日に発表。「結核やハンセン病には著しい人権侵害が行われてきたという歴史」などを挙げて、新型コロナウイルス感染症の入院拒否などに罰則を科す改正案の問題点を指摘している。

新型コロナウイルス感染症の入院拒否などに対して罰則を科す改正案が出されて議論が進むが、学会は入院拒否の背景にある就労できないなど社会的な阻害要因や差別の問題に対処しなければ倫理的に受け入れがたいと指摘している。

さらに、感染を隠す動きが生じて、感染状況を把握できなくなる可能性もあると指摘。性感染症などで国際的にも問題を経験しており、公衆衛生上のデメリットが大きいと説明している。

その上で、次の3点について提言している。

  1. 感染症法の改正において感染者の人権が守られ、感染者が最適に医療を安心して受けられる社会環境を提供することに最大限配慮すること
  2. あらゆる感染症において国民の参加協力のもとに感染を適切に制御する観点から、患者・感染者の入院強制や検査・情報提供の強要に刑事罰・罰則を伴わせることは不適切であること
  3. 感染者やその関係者の個人情報保護に改めて最大限の配慮がなされるべきであること

感染症法改正議論に関する声明

学会

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執筆/編集/審査監修/AI担当

星 良孝(ほし・よしたか)
ステラ・メディックス代表/ 獣医師 ジャーナリスト。日経BP、エムスリーなどに所属し、医療や健康、バイオなどの分野を取材。

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