外来患者および入院中の新型コロナウイルス患者の標準治療に加えて塩化アンモニウムの効果を検証した研究が報告されている。第四級アンモニウム化合物は抗ウイルス作用を有することが証明されており、新型コロナウイルス感染症に対して使用できる可能性があるとしてランダム化比較試験で検証。対象は120人で、ジフェンヒドラミン化合物(ジフェンヒドラミン+塩化アンモニウム)+標準治療群の60人およびジフェンヒドラミン単独+標準治療群の60人に無作為に割り付け。主要アウトカムは、無作為化後30日以内の全死亡率。二次アウトカムは、ウイルス量、5段階の順序尺度で評価した臨床状態、入院患者の滞在期間。主要アウトカムは両群間で統計的な差はなし(HR:3.02、p=0.195)。塩化アンモニウム投与群では回復時間およびウイルス量が有意に減少。オッズ比はそれぞれ1.8(p=0.01)および7.90(p=0.014)。

2021年4月、イラン研究。

Siami Z, Aghajanian S, Mansouri S, Mokhames Z, Pakzad R, Kabir K, Norouzi M, Soleimani A, Yaghoobi MH, Shadabi S, Tajbakhsh R, Khairabad AK, Mozhgani SH. Effect of Ammonium Chloride in addition to standard of care in outpatients and hospitalized COVID-19 patients: a randomized clinical trial. Int J Infect Dis. 2021 Apr 17:S1201-9712(21)00354-4. doi: 10.1016/j.ijid.2021.04.043. Epub ahead of print. PMID: 33878462; PMCID: PMC8053358.

新型コロナウイルス感染症

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執筆/編集/審査監修/AI担当

星 良孝(ほし・よしたか)
ステラ・メディックス代表/ 獣医師 ジャーナリスト。日経BP、エムスリーなどに所属し、医療や健康、バイオなどの分野を取材。

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