新型コロナワクチンの受容をうながすための課題を考察した研究が報告されている。ワクチン接種への関心を維持することが長期的な課題となっていると指摘。世論調査ではワクチン接種意向が示されている一方で、ある行動を「おそらく」または「やや可能性がある」と答えた人が、必ずしもそうするとは限らないことが分かっていると指摘。過半数がワクチン接種する可能性があるにもかかわらず、多くの人がまだ決心していないようだと説明する。

第一に、文献によると、有効性の認識が重要な動機となっていると示されているものの、世論調査の結果では、有効性に関する一般の人々の認識が専門家の見解と一致していない可能性があると警告する。ワクチン接種をすると元の生活に戻れると考える一般の人が多いと紹介。その上で、ワクチンを接種した後に感染を防ぐ効果があったとしても、通常の生活に戻ることができるわけではないという専門家の警告と矛盾する可能性があるとする。

第二に、世論調査では、安全性が個人の意思決定で重要な考慮事項と示されていると指摘。情報が信頼されていないとする。メディアや製薬会社による情報提供に対する信頼度は低く、「非常に信頼する」と答えた人はそれぞれ16%、20%にとどまると紹介する。自分の主治医や医療関係者を信頼する人は、全体としてはもっと多いとする。

第三に、予防接種を受ける意思がコミュニティーによって異なると指摘。「間違いなく」ワクチンを受けると答えたのは、白人の46%に対し、黒人は31%などの結果があるとする。

教育および普及活動の中心は、製薬会社や政治家、医学者ではなく、臨床医であるべきだと説明する。

2021年3月、米国研究。

SteelFisher GK, Blendon RJ, Caporello H. An Uncertain Public – Encouraging Acceptance of Covid-19 Vaccines. N Engl J Med. 2021 Mar 3. doi: 10.1056/NEJMp2100351. Epub ahead of print. PMID: 33657291.

新型コロナウイルス感染症

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執筆/編集/審査監修/AI担当

星 良孝(ほし・よしたか)
ステラ・メディックス代表/ 獣医師 ジャーナリスト。日経BP、エムスリーなどに所属し、医療や健康、バイオなどの分野を取材。

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