新型コロナウイルスの免疫疫学と病態生理についての報告。
ウイルスの系統、系統群の違いに関連して、感染パターンや病原性が変わると明らかになってきたと指摘。マクロファージが炎症を抑制し、SARS-CoV-2の発症を促進する上で重要な役割を果たすと説明。リンパ節や脾臓に存在するCD169+組織常駐型マクロファージが、SARS-CoV-2のウイルスキャリアとして機能し得るなどと解説。インターフェロンの役割は未解明だが、インターフェロン応答遺伝子刺激因子(STING)と呼ばれる5つの膜貫通型PRRの関連に注目が集まるとする。重度の症例に関連した広範な炎症性損傷が、STINGの広範な過剰活性化につながる損傷DNAの増加量につながる可能性が示されているとしている。これは好中球などの炎症性細胞の肺への継続的な浸潤を促し、サイトカインストームを持続させるインターフェロン発現上昇につながる可能性があると指摘する。
2020年8月、米国研究。
Olwenyi OA, Dyavar SR, Acharya A, Podany AT, Fletcher CV, Ng CL, Reid SP, Byrareddy SN. Immuno-epidemiology and pathophysiology of coronavirus disease 2019 (COVID-19). J Mol Med (Berl). 2020 Oct;98(10):1369-1383. doi: 10.1007/s00109-020-01961-4. Epub 2020 Aug 18. PMID: 32808094; PMCID: PMC7431311.