がん治療薬の印刷およびテレビ広告における有効性評価項目の選択的アウトカム報告バイアス評価についての研究が報告されている。選択的転帰報告バイアスは、薬剤の有効性プロファイルに関する誤解を助長する可能性があると指摘。公表されているがん臨床試験、および抗がん剤のテレビおよび印刷広告における選択的転帰報告の割合を調査。成熟した全生存(OS)データ(最終解析に必要なすべての患者イベントを含むデータ)を伴う研究を含まない、または引用していない広告の数も定量化している。

プライマリーの目的は、試験登録と公表された試験の間の選択的転帰報告を調査すること。セカンダリーの目的は、同じ公開試験と医薬品広告の間の選択的アウトカム報告を調査すること。

広告74件と臨床試験48件が対象。印刷広告が最も多く(66件)、ほとんどの印刷広告は医療従事者を対象とした(55件、83.3%)。試験登録があらかじめされていたのは41/48試験(85.4%)。41/48試験(85.4%)は登録された主要エンドポイントから逸脱していなかった。すべての広告(74件)において、統計学的に有意なエンドポイントが報告されることが多かった。22/55(40.0%)の広告では、全生存期間のデータが未熟な試験(最終解析に必要なイベント数のないデータ)が引用されていた。

統計的に有意なエンドポイントは、有意でないエンドポイントよりも一般的に報告されていた。未熟なエンドポイントが報告されていることも多くなっていた。ここから、有効性プロファイルに関する誤解を助長する可能性があると指摘。

2020年10月、米国研究。

Wayant C, Aran G, Johnson BS, Vassar M. Evaluation of Selective Outcome Reporting Bias in Efficacy Endpoints in Print and Television Advertisements for Oncology Drugs. J Gen Intern Med. 2020 Oct;35(10):2853-2857. doi: 10.1007/s11606-020-06028-1. Epub 2020 Jul 13. PMID: 32661931; PMCID: PMC7572986.

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執筆/編集/審査監修/AI担当

星 良孝(ほし・よしたか)
ステラ・メディックス代表/ 獣医師 ジャーナリスト。日経BP、エムスリーなどに所属し、医療や健康、バイオなどの分野を取材。

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