声帯の機能を評価するために高速度カメラで撮影する方法が活用されているが、スマートフォンをベースにした高速デジタルイメージング(HSDI)内視鏡システムでも代替できる可能性があると実証された。

韓国の研究グループが、モバイルヘルス専門誌『JMIR mHealth and uHealth』で6月に発表した。

スマホで声帯障害の診断を

現在、声帯障害の診断には、高速デジタルイメージング(HSDI)、特に内視鏡HSDIが日常的に使用されている。内視鏡HSDI装置は通常、大型で高価なため、途上国や医療インフラが整っていない地域では利用することは難しい。

一方で、最近のスマートフォンは、高解像度の画像や動画を高いフレームレートで処理するために必要な複雑な計算を処理するのに十分な機能を備えている。よって最近、医療用内視鏡とスマートフォンを連携させ、途上国の人々がよりアクセスしやすくする試みがいくつか行われている。

今回、スマートフォンによる声帯撮影を可能にする内視鏡用スマートフォンアダプターを開発し、スマートフォンの高性能カメラの高速撮影機能を利用した高速声帯撮影の実現性を検証。さらにスマートフォンによる高速声帯撮影システムが途上国の臨床現場で受け入れられるかどうかを判断するための研究が韓国で行われた。

研究グループは、3Dプリントにより、臨床内視鏡用にカスタマイズしたスマートフォンアダプターを設計し、標準的な喉頭鏡を装着し声帯の高速内視鏡画像を取得した。スマートフォンのカメラの基本機能のみを使用した。

抽出した静止画は声門の容積と形状を定性的に観察し、画像処理ではフレーム全体から声門と声帯のセグメント化された領域を算出し、声門の両側の振動の振幅を分析。スマートフォン内視鏡アダプターを用いたスマートフォンベースの高速度カメラは毎秒940フレーム、1280×720の解像度となっている。4人のボランティア(健常者1人、声帯麻痺、慢性喉頭炎、声帯ポリープの患者3人)の声帯を撮影した。

医療インフラの乏しい地域に朗報

分かったのはほとんどの診断目的に十分であること。スマートフォンを含めたデバイスのコストは、既存の高速度カメラのデバイスよりも低かった。画像処理と分析により、取得した画像から関連する診断変数を算出することに成功。定量的なデータに基づいて声帯疾患を容易に区別することができた。

スマートフォンをベースにしたHSDI内視鏡システムは、ポイントオブケア(医療現場での臨床検査)の診断装置として機能すると指摘。途上国に適しているとする。

mhealth.jmir.org

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執筆/編集/審査監修/AI担当

星 良孝(ほし・よしたか)
ステラ・メディックス代表/ 獣医師 ジャーナリスト。日経BP、エムスリーなどに所属し、医療や健康、バイオなどの分野を取材。

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