装着することで歩行の状態を測定することができる「スマートシューズインソール」により高齢者のフレイル状態を簡単にモニターできるかもしれない。
フランスの研究グループがパイロット研究をモバイルヘルス専門誌『JMIR mHealth and uHealth』で7月に発表している。
高齢者に受け入れられるか検証
世界保健機関(WHO)の高齢化と健康に関する報告書は、身体活動と歩行速度に関する情報を健康指標として収集するためのウェアラブルデバイスの使用を提案している。しかし、主流の消費者向けトラッキングデバイスやスマートフォンアプリは不正確であることが多い。長期的に受容されるかは不明点もある。
研究グループは、シューズインソールによって歩行を計測できる「スマートシューズインソール」が受け入れられるかを評価した。段階的に9人の高齢者を対象にラボでの検証、3人の高齢者を対象に1カ月間自宅での検証、35人の高齢者を対象として3カ月間の自宅での検証を行った。対面および電話での半構造化インタビューによって受容性を中心に検証した。
ウェアラブル医療機器開発の一歩に
分かったのは、スマートシューズインソールが受け入れられるということ。1週間を超えて装着した人では全員が毎日インソールを装着できており、2カ月では83%、3カ月では94%が装着できていた。スマートインソールを装着によってフレイルの状態が悪化したり、QOLが低下したりすることはなかった。
ウェアラブルセンサーは、実生活でのモニタリングに適し、虚弱高齢者の身体活動を促進するためのソリューションになると研究グループは指摘している。今後のウェアラブル医療機器開発の一歩になる可能性があるという。