ワクチン接種意向と関連する5Cについての検討が報告されている。
5Cとは、信頼(confidence)、現状への満足感(complacency)、制約(constraints)、計算(calculation)、集団責任感(collective responsibility)。
信頼は、「ワクチンの有効性と安全性、ワクチンを提供するシステム(医療サービスや医療専門家の信頼性や能力を含む)、ワクチンの必要性を決定する政策立案者の動機に対する信頼」と定義されている。研究からは、信頼感のない人はワクチン接種に否定的な態度をとることが明らかになっている。信頼感の低さは、誤報、陰謀、医療の有益性への疑念、医療制度への不信感にも関係する。
現状への満足感は、「ワクチンで予防可能な病気のリスクが低く、ワクチン接種が必要な予防行動とは見なされていない場合に存在する」とされる。病気のリスクが低いと認識されている場合と、ワクチン接種が社会的規範と認識されていない場合とに関連していると指摘。
制約とは、「予防接種の意図を実際の行動に変換するための構造的または心理的な障壁」とされる。制約の程度が高まると、認識される行動制御、自己効力感、知覚されたヘルスケアへのアクセスは減少すると示されている。
計算とは、「個人が広範な情報を検索することであり、感染症のリスクと予防接種のリスクを意図的に比較し、情報に基づいた意思決定を行うこと」を意味すると説明する。計算のスコアが高い人はリスク回避派で、予防接種に関連するリスクをより高く認識し、意思決定のためのより計画的な認知スタイルを持つとする。
集団的責任とは、「集団免疫を利用して自分自身が予防接種をすることで他者を守ろうとする意思」と定義される。
2020年3月、ドイツ、デンマーク、ロシア、ポーランド、南アフリカ、カナダ、フランス、フィンランド研究。
Betsch C, Bach Habersaat K, Deshevoi S, Heinemeier D, Briko N, Kostenko N, Kocik J, Böhm R, Zettler I, Wiysonge CS, Dubé È, Gagneur A, Botelho-Nevers E, Gagneux-Brunon A, Sivelä J. Sample study protocol for adapting and translating the 5C scale to assess the psychological antecedents of vaccination. BMJ Open. 2020 Mar 10;10(3):e034869. doi: 10.1136/bmjopen-2019-034869. PMID: 32161160; PMCID: PMC7066639.