イーライリリー社は2023年1月27日、BTK(ブルトン型チロシンキナーゼ)阻害薬を含む少なくとも2種類の全身療法を受けた後の再発または難治性のマントル細胞リンパ腫(MCL)の成人患者の治療薬として、ピルトブルチニブ(商品名Jaypirca)が米国食品医薬品局(FDA)により承認されたことを報告した。

プレスリリースの要点は次のようになっている。

ピルトブルチニブは共有結合型のBTK阻害剤による前治療を受けたMCL患者に対して承認された、この種のものとしては初めての非共有結合型(可逆的)BTK阻害薬である。BRUIN第1/2相試験において前治療を受けた患者の全奏効率が50%であると確認されている。

以上の通り、これまでにない新しい仕組みの薬剤として処方が進むことになると見られる。

海外のデータベースであるClinicaltrials.govによると、同様な仕組みの薬としてはfenebrutinib(フェネブルチニブ)という薬があるが、主に多発性硬化症への効果が検証されており、血液のがんでは試験が進んでいない。

参考文献

U.S. FDA Approves Jaypirca™ (pirtobrutinib), the First and Only Non-Covalent (Reversible) BTK Inhibitor, for Adult Patients with Relapsed or Refractory Mantle Cell Lymphoma After at Least Two Lines of Systemic Therapy, Including a BTK Inhibitor
https://investor.lilly.com/news-releases/news-release-details/us-fda-approves-jaypircatm-pirtobrutinib-first-and-only-non

Clinicaltrials.gov
https://clinicaltrials.gov/ct2/results?cond=&term=Fenebrutinib&cntry=&state=&city=&dist=

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執筆/編集/審査監修/AI担当

星 良孝(ほし・よしたか)
ステラ・メディックス代表/ 獣医師 ジャーナリスト。日経BP、エムスリーなどに所属し、医療や健康、バイオなどの分野を取材。

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