ベーリンガーインゲルハイム社は2022年9月5日、線維化を伴う間質性肺疾患(肺線維症)の症状が確認されている6歳から17歳の小児および青年を対象としてニンテダニブ(商品名オフェブ)の安全性と有効性を確かめたInPedILDの第3相試験データを発表した。

プレスリリースによると要点は次の通り。

この研究結果は、European Respiratory Journalに掲載され、スペインのバルセロナで開催された欧州呼吸器学会の国際会議で発表された。線維化を伴う間質性肺疾患の症状が確認されている6~17歳を対象にニンテダニブが安全に使えるかどうかが確かめられた。

その結果、子どもから10代に体重に応じたニンテダニブを投与した場合、体内の薬剤量は成人の量と同程度になりそうだと示された。これらの結果に基づき、欧州医薬品庁および米国食品医薬品局(FDA)へ規制当局への申請が行われる予定。

ニンテダニブが承認されれば、肺線維症の子どもに対する初めての承認済み治療薬となる。高いアンメットニーズに応えられる。

以上がプレスリリースの要点になる。

つまり今回の結果から、子どもに使った場合の安全性が確認されたことになる。

肺線維症の薬として似たような仕組みの薬としてはニンテダニブのほかに、ピルフェニドン(ピレスパ)という薬がある。それぞれが成人に対して広く使われているが、子どもに対しても使われる状況が増えると見られる。

参考文献

New data from Boehringer Ingelheim support the potential use of nintedanib in children and adolescents with fibrosing interstitial lung disease
https://www.boehringer-ingelheim.com/us/human-health/lung-diseases/pulmonary-fibrosis/boehringer-ingelheim-announces-inpedild-phaseiii

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執筆/編集/審査監修/AI担当

星 良孝(ほし・よしたか)
ステラ・メディックス代表/ 獣医師 ジャーナリスト。日経BP、エムスリーなどに所属し、医療や健康、バイオなどの分野を取材。

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