- 研究の焦点→ドキソルビシン投与が乳がんリスクに与える影響の検討。
- 対象者→ホジキンリンパ腫の女性生存者、特に若年期に胸部放射線療法を受けた人々。
- 背景→子どものがん生存者におけるドキソルビシン摂取が乳がんリスクを増加させる可能性が示唆されているが、成人のホジキンリンパ腫生存者での影響は未調査。
- 研究期間と対象→1975年から2008年にかけてオランダの20の病院で15〜50歳の女性1,964人のホジキンリンパ腫生存者。
- 研究方法→標準化された発生率比、絶対余剰リスク、累積発生率の計算と多変量コックス回帰分析。
- 結果→中央値21.6年のフォローアップ後、252人の女性が浸潤性乳がんまたは管内乳がんを発症。30年間の累積発生率は20.8%。
- ドキソルビシンの影響→累積投与量が200 mg/m2を超える場合、乳がんリスクが1.5倍増加。追加の100 mg/m2ごとにリスクは1.18倍増加。
- ドキソルビシンリスクの変動要因→初回治療時の年齢や胸部放射線療法の有無によるリスク増加の変化は確認されなかった。
- 結論→ドキソルビシン投与は若年期および成人のホジキンリンパ腫生存者の乳がんリスクと関連あり。乳がん監視ガイドラインと治療戦略に影響を与える可能性がある。
- 出典→Journal of Clinical Oncology, 2024年2月15日。
参考文献
Neppelenbroek SIM, Geurts YM, Aleman BMP, Lugtenburg PJ, Rademakers SE, de Weijer RJ, Schippers MGA, Ta BDP, Plattel WJ, Zijlstra JM, van der Maazen RWM, Nijziel MR, Ong F, Schimmel EC, Posthuma EFM, Kersten MJ, Böhmer LH, Muller K, Koene HR, Te Boome LCJ, Bilgin YM, de Jongh E, Janus CPM, van Leeuwen FE, Schaapveld M. Doxorubicin Exposure and Breast Cancer Risk in Survivors of Adolescent and Adult Hodgkin Lymphoma. J Clin Oncol. 2024 Feb 15:JCO2301386. doi: 10.1200/JCO.23.01386. Epub ahead of print. PMID: 38359378.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/38359378/