STELLANEWS.LIFE(ステラニュース・ライフ)は、科学・技術・健康・環境など多様な分野の研究成果を伝えることで、日常生活に新たな視点や知見をもたらすことを目指している。食や生活習慣、地域資源といった身近な要素が健康にどのような影響を与えるのか。そうしたテーマに着目した本記事では、腸内環境の改善における「ヨーグルト」と「温泉」の相乗効果についての新たな知見を紹介する。
九州大学大学院工学研究院の研究チームが、ヨーグルト摂取と塩化物泉入浴の組み合わせが腸内環境に及ぼす影響を明らかにした。これまでに、個別にヨーグルトや温泉の健康効果は知られていたが、それらを併用した際の影響に関する科学的な研究はほとんど存在していなかった。
今回の研究は、九州地方在住の健康な成人47名を対象に、対照群、ヨーグルト摂取群、ヨーグルト+温泉入浴群の3つのグループに分けて行われた。使用されたヨーグルトは明治ブルガリアヨーグルトLB81(低糖180g)、温泉は塩化物泉であった。
その結果、ヨーグルト群では腸内細菌叢の多様性が増加し、特定の細菌群の構成も変化が見られた。また、排便スコアにおいてはヨーグルト摂取のみでも改善が認められたが、温泉入浴との併用によってさらにその効果が高まった。
この成果は、腸内環境の改善を目指すライフスタイル介入として、ヨーグルト摂取と温泉入浴の併用が有効である可能性を示しており、予防医療や公衆衛生の新たな戦略として注目される。研究成果は、学術誌『Frontiers in Nutrition』に2025年6月30日付で掲載された。
- 発表元→九州大学 工学研究院
- 発表日→2025年7月30日
- 研究責任者→馬奈木俊介 主幹教授、武田美都里 特任助教
- 研究の背景→ヨーグルトと温泉の併用が健康に与える影響に関する科学的根拠がこれまで乏しかった
- 研究対象→健康な成人47名(対照群、ヨーグルト群、ヨーグルト+温泉群)
- 使用物質→明治ブルガリアヨーグルトLB81(低糖180g)、塩化物泉
- 主要結果→腸内細菌の多様性の増加、排便スコアの改善、併用による相乗効果が確認された
- 掲載誌→Frontiers in Nutrition(Impact Factor: 5.1)
AIによる情報のインパクト評価(あくまで参考として受け取ってください)
★★★☆☆(★3つで3番目の評価)
身近な要素である「食」と「温泉」の組み合わせが科学的に効果を示した点は注目に値する。ただし、対象人数や地域が限られており、今後の大規模研究や疾患リスクのある対象群への応用が求められる。
