STELLANEWS.LIFE(ステラニュース・ライフ)は、科学、技術、医薬品など幅広い研究成果を取り上げ、
国内外の大学や研究機関、企業による発表をもとに、その方法論や成果をわかりやすく整理して伝えることを目的としています。
今回紹介するのは以下の研究成果です。

東京慈恵会医科大学の熱帯医学講座は、台湾・國家衛生研究院、ブルキナファソ・ジョゼフ・キ=ゼルボ大学との共同研究で、
蚊体内のウイルス由来DNA(vDNA)を検出する新しい手法を開発しました。
ループ媒介等温増幅法(LAMP)を応用し、デングウイルス2型(DENV-2)の検出系を構築。
実験感染蚊や細胞で性能を確認した後、実際にブルキナファソで採集された野生蚊からDENV-2由来のvDNAを検出しました。
さらにGPS情報と組み合わせて感染リスクを地図上に可視化することに成功しました。

この方法は、従来のqPCRと比較して同等以上の感度を示す場面もあり、特にウイルス量が少ない検体で有用でした。
また、RNAの劣化の影響を受けにくいため、乾燥・保存状態の悪い検体からも検出が可能です。
高価な装置を必要とせず、現場での活用が期待されます。

  • 発表元→ 東京慈恵会医科大学、國家衛生研究院(台湾)、ジョゼフ・キ=ゼルボ大学(ブルキナファソ)
  • 発表日→ 2025年9月16日
  • 研究の背景→ デング熱などアルボウイルス感染症が拡大。媒介蚊の感染状況を監視する手法が求められていた。
  • 手法の概要→ vDNAを標的としたLAMP法により簡便で高感度な検出を実現。
  • 実験系→ 感染細胞・人工感染蚊において特異的にvDNAを検出。qPCRと比較し同等以上の性能。
  • 野外適用→ ブルキナファソのデング流行期に採集された蚊からvDNAを世界で初めて検出。
  • 技術的利点→ RNA劣化に強い、簡易装置で利用可能、乾燥保存検体にも対応。
  • 今後の展開→ 他のウイルス感染症や媒介蚊へ応用し、統合的な監視体制の構築を目指す。

製薬企業NAVMAINSECTION 2 の発言:

AIによる情報のインパクト評価(あくまで参考として受け取ってください):

★★★★☆

野生蚊からデングウイルス由来DNA(vDNA)を直接検出する「vDNA-LAMP法」を確立し、途上国を含む流行地での応用可能性を示した点で大きな意義がある。ただし臨床現場での即時応用には検証段階が残されており、実運用に向けた更なる研究が求められる。

science banner

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です