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 1日に7g(大さじ1/2杯以上)のオリーブオイルを摂取すると、心血管疾患死亡率、がん死亡率、神経変性疾患死亡率、呼吸器疾患死亡率のリスクが低下することが明らかになった。マーガリン、バター、マヨネーズ、乳脂肪をオリーブオイルに置き換えることは、死亡リスクの低下と関連しており、オリーブオイルやその他の不飽和植物油の摂取を増やすようにという現在の食生活の推奨を裏付けるものである。
 米国の研究グループが、米国心臓病学会誌『JACC Journal』で1月に発表した。

オリーブオイルの摂取量と循環器疾患の死亡率に関連

 オリーブオイルの摂取は、心血管疾患リスクを低下させることが示されているが、総死亡率および特定原因による死亡率との関連は不明である。

 このほど、研究グループはオリーブオイルの摂取が総死亡率および特定原因による死亡率と関連しているかどうかを評価するためのコホート研究を行った。看護師健康調査(Nurses’ Health Study)と医療専門家追跡調査(Health Professionals Follow-up Study)の参加者を用いて、1990年の研究基準時に心血管疾患と癌のなかった女性60,582人(Nurses’ Health Study, 1990-2018)と男性31,801人(Health Professionals Follow-up Study, 1990-2018)の総死亡率と原因特異的死亡率のHRを推定した。28年間の追跡期間中、4年ごとに半定量的な食事頻度調査票によって食事が評価された。

オリーブオイルで健康増進

 こうして判明したのは、28年間の追跡期間中、36,856人の死亡が発生したが、オリーブオイルの摂取量が最も多い(大さじ0.5杯/日以上または7g/日以上)参加者の全死亡の多変量調整プールHRは、全くまたはほとんど摂取しない参加者と比較して0.81(95%CI:0.78-0.84)であったことである。

 オリーブオイルの摂取量が多いほど、心血管疾患死亡リスクが19%(HR: 0.81; 95% CI: 0.75-0.87)、がん死亡リスクが17%(HR: 0.83; 95% CI: 0.78-0.89)、神経変性疾患死亡リスクが29%(HR: 0.71; 95% CI: 0.64-0.78 )、呼吸器疾患死亡リスクが18%(HR: 0.82; 95% CI: 0.72-0.93 )低くなっていた。また、10g/日のマーガリン、バター、マヨネーズ、乳脂肪などの他の脂肪を同量のオリーブオイルに代えた場合、総死亡率および原因別死亡率のリスクが8〜34%低下することが明らかになった。オリーブ油を他の植物油と組み合わせた場合と比較した場合には、有意な関連は認められなかった。つまり、オリーブオイルの摂取量が多いほど総死亡率および原因別死亡率のリスクは低く、マーガリン、バター、マヨネーズ、乳脂肪をオリーブオイルに置き換えることは、死亡リスクの低下と関連することが明らかになった。

 オリーブオイルの消費量が多いということは、全体的により健康的な食生活や社会経済的地位の高さを示す指標である可能性がある。しかし、これらの要因やその他の社会的経済的地位の要因を調整しても、結果はほとんど変わらなかった。

 今回の研究とこれまでの研究で、オリーブオイルの摂取が健康に良い可能性があること が分かった。しかし、いくつかの疑問も残されている。その関連性は因果関係なのか、それとも類似相関なのか?オリーブオイルの摂取は、脳卒中や心房細動などの特定の心血管系疾患に対してのみ、あるいは他の主要な疾患や死因に対しても予防的であるか?保護効果を得るために必要なオリーブオイルの量はどの程度か?これらの疑問を解決するために、さらなる研究が必要である。

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執筆/編集/審査監修/AI担当

星 良孝(ほし・よしたか)
ステラ・メディックス代表/ 獣医師 ジャーナリスト。日経BP、エムスリーなどに所属し、医療や健康、バイオなどの分野を取材。

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